■若者たちとの対話:与党の連立組替えの経緯

      

1 政治に関心を持ち始めた若者たち

若者は、従来の経緯を知らずに、これが良いという発想をする傾向があります。そのほうが、かえって本筋の判断をすることもあるはずです。最近の政治についての反応を見ると、彼らの言うことに、現実があと追いをしている風がありました。

2025年の参議院選挙の期日前投票が決定的だったように思います。投票したことのなかった大勢の若者が投票に行ったのです。何かを感じ取って、それが行動にまで反映しました。政治に関心がもたれはじめたようです。今度は、知らないことばかりだと言います。

なぜ自民党+公明党から、自民党+維新になったのかと聞かれました。それで、以前、菅さんと麻生さんは仲良しだったんだよと言うと驚きます。おかしくなったのは10年前、2015年の年末頃からでした。2016年のダブル選挙をめぐって、決定的になったのです。

      

2 ダブル選挙をめぐる考え方の違い

このあたりを知らなかったのは、若者ばかりではなかったので、少しだけ書いておきましょう。2016年、安倍首相はダブル選挙を狙っていました。麻生さんは解散すべしという考えでしたが、菅さんは公明党に気を使って、ダブル選挙に慎重な態度をとったのです。

公明党に気を使いすぎるというのが麻生さんの不満だったようですが、ダブル選挙はなしになりました。安倍首相も後に、この決断が失敗だったと考えていたようです。逆に公明党が足かせになってきました。安倍首相が亡くなったのちも、この傾向が続きます。

岸田内閣の後の石破内閣成立の際、菅さんは石破側につき、麻生さんは高市側につきました。両者の考えの対立が明確になります。それがもっと明確になったのが、小泉さんと高市さんが争った昨年の総裁選でした。菅さん陣営、麻生さん陣営という構図です。

      

3 民意を問うのは当然のこと

菅さんが公明党と結びつきを重視したのに対して、麻生さんは公明党が足かせだと考えていましたから、それがそのまま、小泉さんと高市さんの姿勢に反映していました。小泉さんなら公明党は連携を深めていけたでしょう。しかし、高市さんが勝利しました。

足かせということは、自民党側がずいぶんと譲歩をしてきたと感じていたということです。高市さんが勝利しましたから、その修正をするのは当然のことでしょう。公明党の存在感が低下していくのは見えていました。抵抗したところで流れは変わりません。

高市政権の成立で、菅さんは政治的な力を失いました。自民党と公明党をつなぎとめる力は極めて弱くなっていましたから、自然な形で、両者の関係は解消することになります。一方、維新とのパイプは、菅さんだけでなくて、高市陣営にもありました。

今回の連立組替えは、経緯を知っていれば、自然な流れのように感じます。こんな話をすると若者たちは、これですっきりしたのですねという反応を示すのです。時期のわずかなズレが生じるにしても、この点の民意を問うのは、不可欠なことでした。