■シンプルなマニュアルを:操作マニュアル講座を終えて

 

1 新しい形式を作るパイオニア

操作マニュアルの講義を行ってきました。今年初めてのセミナー講義でした。年初から多数の方に参加いただいて感謝しています。操作マニュアルが重要になるのは、おそらく間違いないでしょう。今回、参加者が多様化している点が印象的でした。

操作マニュアルについて、今回も同じ傾向がみられました。(1)マニュアル作成を教えてくれる人がいない会社が多いこと、(2)現在のマニュアルがあまり使われていないということ…です。マニュアルが変わってきていますから、パイオニアが必要です。

従来とは違った新しい形式を作っていただきたいと願っています。会社側も対応しはじめているように感じました。実務の担当者だった若い人をマニュアル作成担当者にする例が多くみられます。もう一度、ゼロベースで考えることが必要になっているのです。

 

2 2つのシンプル概念

今後、操作マニュアルはどういう方向に行くのでしょうか。一言で言えば、シンプルということになるのでしょう。製品やサービス自体をシンプルにする傾向が続いています。この流れは変わらないだけでなく、今後ますます強化されると考えられます。

ここでいうシンプルという概念は多義的にとらえられるべきでしょう。必要最小限に絞って、簡潔に単純にすることもシンプルですが、これだけではないはずです。この点、奥山清行が『伝統の逆襲』でシンプルという概念を定義しているのが参考になります。

<一つは、何かコアとなる価値があって、それを凝縮したもの――削ぎ落としていってコアとなる価値を残した「もの」や「こと」である>。普通に言われるシンプルの概念がこれに近いでしょう。大切なのは、この概念だけではないということです。

もう一つが、<たくさんの要素がありながらも、それらを統合し、リファインして、洗練されたものになってくると、結果としてシンプルに見える、というもの>。全体的な統一感があって、機能的なために余計な抵抗感がなくて、製品なら使い勝手が良いものです。

 

3 シンプルな使い方

操作マニュアルがシンプルだということになると、何が必要でしょうか。製品やサービスは同じですから、製品やサービスの使い方をシンプルにすることが必要だということになります。効率的な効果的な使い方の提案ができるかどうかということが重要です。

多機能の製品が多くなっていますし、それらこそ操作マニュアルが必要ですから、そのときに、マニュアルの使い勝手が重要になります。これだけで十分ですよと、機能の選択をして、その範囲を示すことが操作マニュアルの重要な役割の一つになります。

もう一つは、たくさんの操作が必要であっても、それらが統合されていると感じられるものが必要になります。どこに向かってどんな風に使われるのか、操作の流れにある種のストーリーが見えてくれば、抵抗感のない使い方ができるはずです。

はじめにゴールを示して、ここに行くためにこんな操作が必要になりますと説明していくのも一つの方法でしょう。あるいは電子化されたマニュアルの場合、必要項目にたどりつくための道筋を工夫をすることも必要です。まだ改善できるところがたくさんあります。

 

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