1 記述しないほうが原則 日本語の文章を書くときに、私たちは知らないうちに、わかりきったことをカットしています。たとえば、「私は・私が」というのを、あえて書く必要があるというのでなければ、記述しません。これは記述しないほうが原則だということです。 主 …

■共通認識を欠落させる効果:日本語センテンスの機能論 続きを »

      1 かつての日本語不信 外山滋比古の『日本語の個性』のはじめに、江崎玲於奈博士の話がでてきます。ノーベル賞受賞記念の英語原稿を日本語に直そうとして苦労したそうです。これは日本語のせいだという結論に達したとのこと。何だか読んだ気がします。以下のような話で …

■日本語への信頼と日本語の確立:外山滋比古『日本語の個性』 続きを »

        1 倒置による強調 文頭に出された言葉は、何となく目立ちます。文頭にあるものは、強調とか前提確認のように、注意した方がよい言葉になりうるということです。逆にいえば、目立たせるべき言葉は文頭に出すということになります。これは日本語に限ったことではあり …

■倒置による強調と助詞による強調 続きを »

        1 何をどう書いたら良いのか ビジネス文の書き方講座用のテキストが完成しました。今月の29日に講義があります。この講座は2つの要素からなっています。一つはビジネス文を書くときには、マネジメントの思考が必要であること、もう一つは、日本語を鍛える必要が …

■ビジネス文を書くために必要なこと:思考の整理・記述・検証 続きを »

       1 「は・も」も係助詞 お盆休みを利用して、講義テキストを作っていました。日本語文法を再構築しようという試みです。当然のことながら、簡単に行きません。この種のことは、シンプルにきれいにまとまらない限り、うまく行ってないということになります。幸い少しは …

■現代日本語に係り結びがない理由:加藤重広『日本語学のしくみ』の説明 続きを »

         1 優れた教育者だった寺村秀夫 日本語の文法のことで、少し調べていたときに、なかなか面白い話がありました。寺村秀夫という日本語文法に関する代表的な学者についての記述です。『岩波講座 言語の科学5 文法』の第4章にありました。執筆者は金水敏(キンス …

■日本語文法の主流だった寺村秀夫:優れた教育者 続きを »

      1 共通認識は記述しない 日本語の場合、会話になると極端に言葉数が減ることがあります。「あれどうした」だけで通じても驚かないでしょう。「お茶」というだけで伝わらなかったら怒る人もいるかもしれません。文章にする場合、もう少し記述する言葉数が増えます。 し …

■日本語における主題:「言うまでもない共通認識」 続きを »

      1 「文章語にして語れ」 明確な考えを持つには、明確な考えであるか否かを確認する必要があります。検証しながら、自分の考えを明確にしていくということです。明確、あるいは明晰という言い方にふさわしいのは、誰が読んでも、その内容がすっきりしているということに …

■「文章語にして語れ」:司馬遼太郎「何よりも国語」から 続きを »

       1 体言・用言の判別法 日本語の文章を書くときに、私たちは品詞を意識していません。品詞分解など、ばかげたことです。品詞など分からなくても、何ら問題なく読み書きできます。問題は、体言と用言の区分の方です。活用のある言葉なのか、活用のない言葉なのかが問題 …

■日本語のルール:記述なしでも理解できる理由 続きを »

       1 優れた言語学者 千野栄一 千野栄一は優れた言語学者だったと思います。専門家でないものが評価するのはどうかと思いますが、一般向けに書かれた本からは、すぐれた学者の資質がうかがえました。学ぶ側ですから、素直に、その言うところを読みたいという気持ちがあ …

■FSP(文の現実分析)の解説と日本語の例文:千野栄一の説明のズレ 続きを »