■読むことの有利さ:量が質に変わるということ
1 読む量が増えると読む質が上がる
読むことの有利さを、意外に意識していない人がいます。書くよりも読むほうが楽です。そんなことは分かっているでしょう。その上、書くときの基礎は読むことですから、読むことは必要不可欠です。読むことに、それほど負担を感じないことが大切になります。
読むことを負担だと感じさせるのは、完全に理解しようとするからかもしれません。完全な理解など、できないことです。ていねいに読んでも、読み落としや、読み間違いがあるでしょう。大切なことは、量が質に変わる点です。量を読まないと質が上がりません。
最初は、いい加減な読みになるかもしれませんが、それでも、本と向き合うと得るところがあります。では、どんな本を選んだらよいのかと言われれば、読んでよさそうな本を読めばよいというしかありません。少し読んで、良し悪しを判断することになります。
2 文章がチェックできるかが問われる
生成AIの進歩に伴って、生成AIが文章作成を行う場面に出会うことが出てくるはずです。その文章の良し悪しが判断できるでしょうか。内容も含めてのことになります。生成AIの文章だろうが、部下の文章だろうが、文章のチェックと評価が求められるのです。
このとき少数の人たちは、楽々その役割を果たすことになるでしょう。読み書き能力の格差がどんどん広がっていますから、何でこの程度のことができないのか不思議に思う人がいる一方、お手上げ状態になる人がいるはずです。この傾向は変わらないでしょう。
おそらく上位の2%くらいが、楽々クリアする人たちです。50人に1人ですから、ごく少数だとも言えます。しかし、若い世代がそろそろ台頭してくるでしょう。若者は本を読まないというのは、現時点では、そうかもしれませんが、状況が変わってきそうです。
3 読解力の格差が拡大
もしかしたら、今年か来年に紙の本の売上高が底打ちするかもしれません。2028年頃から、上昇に転じるのではないかと期待しています。日本では2003年に、ゆとり教育がはじまり、危機を感じた学校では、読書の時間が導入されました。その影響が出てきています。
2020年の小学生の読書量が、2020年になると倍増したようです。中学生もほぼ同じ割合で増えています。2010年に10歳だった人は、現在26歳です。彼らの中に、以前よりも本を読む人たちが出てきている気がします。これは研修の受講者を見ていてのことです。
大きな書店を定点観測していると、もはや中心的な顧客は若い世代になっています。すでに欧州では、イタリア、ドイツなどで2018年から、本の売上が上昇に転じました。10年遅れで、日本も上昇に転じる可能性があります。本を読む人が増えてくるはずです。
読み書きの基礎は、本を読むことにあります。読解力の格差は、今後も広がっていくことでしょう。本を読んだ方がよい、量が質に変わるからというのも、仕事に読解力が不可欠になるからです。読書する人は少数派ですから、チャンス到来と言うべきでしょう。
