■本質を問う必要性:全体の仕組みを考え、自分の強みを考えること
1 危機でありチャンスの時代
個人にしろ組織にしろ、危機感のある時に、それまでのやり方を、変更せざるをえなくなることがあります。現在、生成AIの能力が急速に高まって、人間ではもはや追いつけないレベルの処理ができるようになってきました。ある種の危機と言えるでしょう。
当然、危機と捉えている人たちがいますし、同時に危機はチャンスでもあるとの認識もあります。便利な機能を使い始めると、丸投げしたくなりますが、成果物を評価できるだけの能力がないと、利用するのはリスクになるでしょう。危機であり、チャンスです。
会議の議事録を作ったことのなかった組織が、生成AIで議事録を作りだした事例を、聞いたことがあるかもしれません。便利だねえというのが最初でしょう。しかし、会議の質が上がらなくては意味がありません。あるいは議事録を有効活用することが必要です。
2 本質的なところを問う
生成AIを導入してみて、あれこれ試してみるのは悪くないことでしょう。それによって、本質が何であるかが問われるようになれば、意味があります。導入しなくても、もはやここまで導入されているなら、事例を集めて想像すれば、気づくことがあるはずです。
優秀な若者と話したとき、これはチャンスだと思ったと語っていたのが印象に残っています。問題を解決するとき、「誰・何に」「何を」「どのようにしてもらうべきか」、「それによってどんな成果が期待できるのか」と考えればよいと言っておきました。
いままで、人に依頼していたものが、生成AIに置きかわる可能性が出てきています。生成AIを機械に含めれば、機械化・自動化の流れのままです。自動化するものに、何をどうしてもらうのかを明確にするとともに、全体の仕組みを変更することが必要になります。
3 自分の強みを考える
個人でも組織でも、現在、どういう仕組みで行っているのか、今後も、それでよいのかということを、再検討しなくてはならなくなります。たぶん生成AIの導入が刺激になって、組織の仕組みを変えることになるはずです。業務を見直す必要があります。
基本的な問いかけがなされるということです。「業務マニュアルはできているのでしょうか?」、「新規参入者を即戦力にするために、どうするのが良いか、ノウハウを蓄積しているでしょうか?」、「今後、強みにするものを、どう育成すべきでしょうか?」。
優秀な若者に、これらは個人の問題になるはずですよと、言っておきました。業務を標準化して、実力養成のノウハウを蓄積して、強みを作り上げていくというのは、組織が問われるだけでなく、個人も問われることです。組織よりも、個人のほうが早く動けます。
変化がやってきているときに、組織について不満を持つ人が出てくることでしょう。実際に問題もあるはずです。しかし、個人がそれに先立って変わることができます。そのほうが自然です。まずは身近から点検していき、自分の強みを考えることが優先されます。
