■生成AIは平均値を上げるツール:独自性を鍛えるという課題
1 伝達に不可欠な人間の感性
日本語に限らず、言葉は、すべてのことを客観的に正確に伝えられるわけではありません。数式になるように、正確に伝わるものもありますが、そうでない事柄はいくらでもあります。それをどう受け取るのか、そこに人間の感性が入り込むのは当然のことです。
あの人は話が通じるという言い方があります。こちらの意図がわかるということでしょう。同じ言葉を使っても、通じる人と通じない人がいるということにもなります。言葉は、すべて完璧に正確に伝えられるどころか、なかなか伝えられないことばかりでしょう。
人間の場合、その伝わらないところを含めて、ボンヤリと、それでもかなり正確に理解することが可能です。話が通じるというのも、全部完璧に正確に伝わるということではありません。ボンヤリでもかなり正確に伝わるなら、話が通じるということでしょう。
2 普通の業務で行っているかなり高度な処理
ビジネスで、数的な処理、事実の裏づけを不可欠な要素とするのは、言葉だけではあいまいになるからです。明確性を追求して、客観的に処理できる領域を広げていく必要があります。同時に、すべてが客観的に明確に処理できるわけではないという前提が必要です。
したがって絶対的に正しいということはなくなります。相対的に正しいというしかないのです。その結果、自分の行った処理がどの程度正しかったのか、検証が必要となります。自分の処理を振り返って、その結果を測定して、それを評価しなくてはなりません。
私たちは、普通に業務を行っていますが、普通の業務をするときにも、かなり高度な処理が求められています。生成AIが導入され、利用が広がると、人間の普通の行為が高度であることに気づくことになりました。まだ、そう簡単に追いつかれない領域があります。
3 標準的なものを作るのが生成AIの役割
生成AIを上手に利用することは必要です。上手に利用すれば、時間の節約にもなります。使ったほうが効率化できることは、数多くあるはずです。生成AIの利用を、業務の中に組み込んでいくことは必要になります。その際、利用の指針が必要になることでしょう。
生成AIを上手に利用するのに、どうすれば成果が上がるのか、使い方を標準化していく必要があります。進歩の早さを考えると、標準化された事項も、つねに更新し続けていく必要があるでしょう。利用した成果を評価していかないと、効果的な使い方ができません。
大型システムのプログラムを組んでもらおうとしても、生成AIを利用した場合、かなり問題が出てくることがわかっています。生成AIによるデザインが、一定レベルを超えないということも、知られてきているらしく、一部のデザイナーの仕事が急増しています。
感覚の鋭い人たちが、生成AIの利用拡大を見て、アナログ思考を強化する方向へと動いているのは、ある種、自然な流れなのかもしれません。生成AIは、まさに標準化されたものを作ります。独自性がありません。平均値を上げるために利用すべきものだと思います。
