■文章講座を終えて:生成AIとの共存のために
1 問われる生成AIを使いこなす能力
ビジネス文・技術文の正しい書き方講座を8月4日に行ってきました。文章を読み書きするのは、基本的なことですが、生成AIの活用が拡がり、今までとは違った意味合いを持ってきたようです。生成AIを利用しない手はないでしょう。しかし問題もあります。
まずテキストの準備のために作ったノートを、生成AIに読み込ませて、簡潔な資料を作成しました。15枚のスライドでの説明です。見た目はきれいにできていますが、内容はノートとは全く違ったものになっています。ここまでズレると、全く使えません。
自分で作成したノートですから、ポイントはどこであるかはわかります。ポイントを提示して、最小限の資料を添付すれば、おそらくこんなズレたことにはならないでしょう。生成AIを使いこなすには、最低限の読み書きの能力が必要だということです。
2 雛型への流し込み形式
生成AIが作成したスライドの中には、ノートに存在しない用語も出てきます。それがキーワードのように使われていると、もはや自分のノートとは関係ない代物です。どうしてこういうことが起こるのか、専門家に確認する必要がありますが、何となく想像できます。
おそらく雛型があるのでしょう。15枚のスライドで説明する場合、何種類ものパターン化されたプレゼンの形式が用意されているのではないかと思います。資料の内容から、プレゼンの形式が選択され、関連しそうなフレーズが埋め込まれていくということでしょう。
かつてのことですが、業務マニュアルを作成するときに、業務の分析ができないコンサルタントが、すでにある雛形を利用していたことがありました。雛型への流し込みと言われたものです。あれを思い出しました。生成AIのアプローチは、それに似ています。
3 読み書き能力を鍛える意義
業務のことがわからなくては、きちんとした業務マニュアルなどできるわけないでしょう。マネジメントの発想がないと、効果的な業務は構築できません。業務マニュアルがあるから、業務は効率化し、高度化します。形式的なマニュアルを作っても意味がありません。
文章も同じです。自分で読み書きできる人が、補助として生成AIを利用するのなら、いまの性能でも十分に役立ちます。標準形式のものがあれば足りる場合、当然、チェックは必要になりますが、生成AIを利用すれば手間が省けますから、使えば便利でしょう。
読み書き能力を鍛えておけば、こういうものを生成するようにと指示できます。それが必要です。利用する側の指示なしに、漠然といいモノを作れと言われても、機械処理ですから無理があります。使いこなす側の能力が問われるのは、言うまでもありません。
今回受講された方の中に、生成AIの利用が拡大するからこそ、読み書き能力を鍛える必要があるのだという意識を持った方々がいました。こういう人たちがもっと増えてくればと願っています。今回はとくに、受講された方々とのやり取りが勉強になりました。
