■生成AIの機能が邪魔になる場合:上位2割の人たちへの期待

      

1 生成AIを使わない手はない

昨日講義のテキストが印刷に回り、ひと安心したところです。生成AIの急速な発展と拡大のため、日本語の使い方にも、様々な変化が起こってきたように思います。生成AIが作った文書が、最近ではめずらしくなくなりました。それに気づかない場合もありそうです。

生成AIで作成したほうが早いというのは、もはや共通認識でしょう。出来も悪くないと言われています。いくつかの箇条書きを並べて、報告書風にと言えば、それなりのものができるのですから、これは画期的なことでした。使わない手はないという話になります。

講義では、これがどんな魔法なのか、少しお話したうえで、逆に、大きな弱点があることを示す内容になりました。別にすごい話ではありません。実際に使ってみれば、すぐに気がつくことです。使い方の前提が違ったなら、成果が違うのは当然でしょう。

     

2 生成AIの機能が邪魔になる場合

文章が苦手で、文書作成に時間がかかる人にとって、必要最小限の情報を投げれば、最低限の形になるなら、楽でしょう。情報が少ないこと、独自の内容ではないこと、これが前提条件でした。その場合、ある種のひな型に沿って、不足な内容を補正してくれます。

生成AI側が、最低限の文書にするためのスタイルを持っているということです。こういう場合、作成者の独自の内容や、多すぎる情報があると、ひな型に適応しなくなります。たくさんの情報を提示し、独自の内容を用意して、生成AIを利用したらどうなるかです。

ひな型に合うように、一部を切り取ります。それを、もともと用意されているひな型の中に当てはめますから、妙なことになるのです。自分は、そんなことを言っていないぞという内容になるでしょう。そのうえ、大切なポイントを外すことになるのです。

     

3 上位2割の人たちへの期待

こうしたお話を抽象的にしても、いまひとつわかりにくいので、実際に私が行った実験をお見せすることにします。いかにズレたものになるか、一目瞭然です。十分な情報があって、独自の内容がある場合、生成AIを使うと、どの程度ひどいものになるかわかります。

問題なのは、生成AIのひな型に沿って作った文章が、文章の苦手な人よりも、良くできているということの方でしょう。日本に限らないことですが、多数派は生成AIが作った文書よりも劣った文書しか作れない人たちです。ビジネス文書の場合も、そうなります。

ビジネスの場合、ある種の標準化が必要ですし、すべての分野で独自性を発揮されたら、逆に困ります。さらりと最低限、必要なことが伝われば、用が足りる場面は、いくらでもあるはずです。だから、あえて苦労する必要はないと、考えることになります。

生成AIの作成する文章を超えるものを書く人は、おそらく2割くらいかもしれません。そこに該当する人たちに、独創性が期待されるということです。上位2割の人たちは、文章の何を、どう鍛えたらよいのでしょうか。そんな意識で聞いていただきたい講座です。

   

▼8月4日実施、「ビジネス文章・技術文章の正しい書き方」