■エッセンスが適切に抽出できない生成AI:お話にならない文書作成能力
1 生成AIの文書作成能力の実験
文章講座がありますので、少し実験をしています。テキストの構想を立てながら、どうしても気になることがあったので、知人の専門家に相談しながら、生成AIの文章作成能力を確認してみました。自分の書いたテキスト用のメモを素材にした実験です。
notebookLMというグーグルのAIは非常に性能の良いものと評価されていました。私には評価する能力がないので、このあたりは専門家の方々のお話を聞いて、それに従っただけですが、今まで何度かテストしています。印象に過ぎませんが、かなり優秀です。
今までは、A4に1枚とか、2枚とか、それもシンプルな内容のものを使って、プレゼン資料を作ってもらったり、要約してもらったりしてきました。この場合は、そうひどいズレはなかったのですが、しかし、どうしても修正したくなるところはなくなりません。
2 「ここまでひどいとは!」
今回、テキスト用のメモですので、A4に60頁分ありました。重複もありますし、いくつかのところに引用も入っています。今までと違って情報量が多い上、独自説を入れたりして、従来に比べれば高度な内容です。これをどう処理してくれるだろうかと思いました。
気の利いた短めのスライドにしてくれたら、こちらの意図がどれだけ伝わったか、一目瞭然でしょう。ちょっと期待をしながら、見ていたのです。結論から言うと、こちらの言おうとしたところを汲んでいませんでした。全く使えないというしかありません。
こんなことは、どこに書いてあったのだろうかと思うような、こちらのメモにはない事項が、キーフレーズのように入り込んでいます。通説を否定して、その代わりに提示されたのが、通説的な見解だったので、驚くばかりでした。ここまでひどいとは!
3 お話にならない文書作成能力
以前から、「一言で言うとどうなりますか?」という質問に対して、きちんと答えられない人が多数派だという話は、お聞きになったことがあるかもしれません。まさに生成AIの場合、一言で言うと…というところがズレます。以前から気になっていました。
今回、情報量が増えた場合、ここからエッセンスを抽出するのは難しいだろうと思っていました。これができたら驚異です。もっとコンパクトなものでも、エッセンスの抽出は苦手でしたから、それなりのズレがあることを前提にして、評価を試みるつもりでした。
内容がないものでも、よくぞここまで文書に仕上げるものだという評価もありましたが、内容不足を補正していたということでしょう。いわゆるゲタをはかせていたのです。ビジネス文書なら、ある種の定型性もありますから、それも可能だったのでしょう。
内容を高レベルにするほど、ポイントがズレます。画像をイラストにすると、若くてかっこよかったり、かわいかったり、そんな感じになりがちです。それはそれで楽しめますが、文書は楽しめません。今回の実験を見る限り、お話にならない文書作成能力でした。
▼講義用に行った実験です。ご興味のある方は、講座「ビジネス文章・技術文章の正しい書き方」にご参加ください。
