■生成AIの得意分野と不得意分野

     

1 生成AIの導入で業務を半減できるか?

大手の会社が、今後5年で業務を半減させるといった報道が、少し前には見えていました。もう少し小さな会社でも、いずれ業務が半減するという話を聞きます。従来から継続している仕事を見直していくことは必要なことですし、不要な業務はなくすべきでしょう。

業務を半減にした場合でも、会社の規模が半減するわけではありませんから、利益を維持しながらのことになるはずです。そうでなかったら困るでしょう。こうした前提に立っても、5年で半減という数字は、普通ではありません。しかし違和感がなくなっています。

ご存じの通り、生成AIの急速な進歩で、いままで人間でなくてはできないと思われたことが、できるようになりそうだと信じられているからでしょう。実際に、置きかわりが出てきています。コールセンターの対応などでは、生成AIの導入が成功しています。

      

2 生成AIには期待できない領域

生成AIの導入に関して、まだ情報が公開になっていないことも多々ありますので、生成AI導入による業務の削減が、どの程度進んだか、詳細は分かりません。しかし早めに手をつけていた組織が、生成AIに業務を任せるのをあきらめたケースも見られます。

大規模なシステムを構築しようとする場合、言葉での指示が正確に反映されない箇所が続出します。それらをチェックして修正するのは、大変な負担です。その負担を考えると、従来通り、最初から人間がシステム構築をするほうが良いということになります。

これは仕方ありません。生成AIの場合、言葉が苦手です。やり取りの音声を生成AIで文字化すると、変換ミスにあたるものも含めて、かなり実際とは違った内容になります。そのエッセンスを抽出するように指示を出すと、もはや意図とずれた話になるのです。

      

3 生成AIの得意と不得意分野

自由にやり取りしながら、大切なことを決めていこうとする場合、参加者のレベルが問題になります。わかりあっているとか、語るべき内容にふさわしい共通の言語をもっている場合、非常に効果が上がるはずです。ツーカーとか、即断即決ということになります。

シンプルなもの、エッセンスになるものを、短い会話の中から正確に取り出すのは、人間でも簡単ではありません。生成AIにとっては情報不足になるはずです。情報過多になるくらいの情報が、矛盾なく過不足なく揃っているときでないと、力を発揮しません。

新しいこと、詰めが必要なもの、試行錯誤が必要なものなどでは、生成AIに期待をかけすぎると間違います。逆に従来からのデータや情報の蓄積があって、ルール化できている分野なら、生成AIは大きな力を発揮します。生成AIには得意不得意があるのです。

製品サポートをしている会社で働いている人がいます。AIの回答では、間違いがあるので、それをチェックして対応しているということでした。操作マニュアルが整備されていないそうです。作成できる人がいないとのこと。強化すべき領域は明らかでしょう。