■アンテナを立てるという話:方法を見出すための方法

     

1 知人が転倒して得た教訓

以前、知り合いの人が玄関でつまづいて転倒しました。まさかと思ったようですが、突然のことだったそうです。顔をすりむいて、大けがに見えましたが、実際にはたいしたことではありませんでした。しかし本人にも、相当インパクトのあることだったようです。

営業職だったので、あちこちで歩いていたようですが、ベテランになって前ほどであるかなくてもよくなっていたらしくて、筋肉の衰えだというのが自己診断でした。何となく気づいていたようですが、こういうことがないと危機感を持つこともないようです。

しかし営業成績でもトップに立つことがあった人ですから、ここでの教訓を上手に語っていました。アンテナを立てるという話です。自分は転倒してみて、筋肉が弱ってきているのを身に染みて感じたために、見えてきたことがあったと語っていました。

      

2 アンテナを立てると見えてくること

家から駅まで歩く間に、役所の案内が掲示されているところがあって、そこにシニアの筋力強化のサークルの話があったというのです。「筋力が弱ってきたぞ、何とかしないとまずい」と思わなかったら気がつかなかったろうと語っていました。たぶんそうでしょう。

さらに駅に行くまでに、トレーニングジムがあって、なかなかよさそうな感じだと思ったと言います。これも、あるのは知っていたけれども、何とも思わなかったというのです。他にも、歩きながら自分で自然にトレーニングする方法を思いついたと言っていました。

筋肉を強化しようと思わないと、強化する機会がいくらでもあるのに、見えてこないものだというのです。これが教訓だと言い、アンテナを立てることが必要だと強調していました。こうしたい、これが必要だと思うと、見えてくるものがあるのだということです。

     

3 具体的な言葉があれば見えてくる選択肢

若者がやってきて、今後の進路について語っていました。そして、よくわからないというのです。わからないほうが普通でしょう。「どうすればこうなれるか」以前に、「こうなりたい」という姿が見えてこないと言います。しかし漠然とした感覚はあるのです。

漠然としたものを分解して、具体的なものを一つずつ検討していったら、思いつくこともあるのではないかと、そんな話をしました。個別具体的なもの、あるいは具体的な条件を並べてみると、漠然とした感覚がどう反応するか、見てみる必要があります。

このとき、アンテナを立てるという話をしました。やりたいと思うものを見つけると、そこから色々見えてくるから、まずは、思いつきを書き出してみることが必要だろうと。何をしたい、こうなりたい、というものを言葉にしてみることで判定ができるでしょう。

「筋力強化」という具体的な言葉が出てくれば、選択肢がいくつもあるのがわかってくるということです。若者はすぐその場で反応して、ある会社の説明会と、業界の話が聞けるセミナーに申し込みをしました。そのうち、もっといいアンテナが立つはずです。