■日本語の習得を意識すること:講座のご案内
1 言葉の習得は社会的文化的な環境に依存
日本語を習得した人たちは、何となく自然に言葉を身につけていったような感覚にとらわれます。私自身、自らの努力で言葉を身につけたわけではありませんから、他者からの働きかけで言葉を習得したことは間違いありません。だから習得は受け身でした。
しかし歩行と違って、言葉は社会的文化的な環境に依存します。家族などの集団の中でこそ、習得できるものです。自然現象ではありません。それでもときどき、言葉は自然に習得するしかない…と思うことがあります。習得が受け身であり、感覚的だからでしょう。
言葉の習得には、理屈よりも感覚的な働きが多いことは確かです。ルールがシンプルで、それを習得すれば、理屈でなく感覚的に使えるようになるからでしょう。ルールを特別意識しなくても、感覚的に使いこなせることが、適切な運用だということになります。
2 シンプルなルールを使いこなすこと
以前にも書きましたが、マーケティングの先生から、「誰に・何を・どのように」を考えるようにと教えられました。詳細なマーケティング手法を学んで、それを実践しようとしても、効果がないということです。シンプルな方法を使いこなすことが大切になります。
言葉も同じでしょう。シンプルなルール、決まり、方法を、十分に使いこなすことが必要です。フランスの小学校では、国語の時間に文章の文法分析を行っていると、清水幾太郎の『論文の書き方』にありました。小学生でも文章が分析できるツールが必要です。
日本語文法が、それにふさわしいだけのシンプルなルール・決まりを持っているか、そのあたりが文法体系の評価になります。現在の通説的な文法では、どうも文法分析が簡単にできそうにありません。もう一度、基礎の体系を固めていく必要がありそうです。
3 日本語の機能・構造と助詞の使い方
言葉の場合、しゃべるほうが先行しますから、しゃべれる人が、文字を書く段階に進んでいくことになります。助詞が使いこなせるようになるのは、5歳くらいのことでしょう。そのくらいになると、助詞をつけて話すことができるようになるはずです。
6歳になると小学校に入学して、作文を書くことになります。作文を書くときに、しゃべるときに使っていた助詞の使いかたを、再確認することになるのです。何となく、感覚的に使えていた助詞が、書こうとすると、一旦考えなくてはならなくなります。
助詞の感覚を再確認することが、書くときの大切なポイントになると言ってよいでしょう。話をするときに、何となく感覚的に使えていた助詞を、その機能を確認して、意識的に使うということです。話すときの感覚を活かせば、再確認は迅速になされるでしょう。
日本語の文法を構築する場合、日本語の機能と構造と、それを関連させた助詞の使い方を知ることが必要です。日本語を分析するツールを習得して、使いこなして行くことになります。来月、こうした発想で講義を行うことが決まりました。以下、そのご案内です。
