■生成AIより人間が圧倒する領域:プロセスのシンプル化の必要性

    

1 勝負どころでは生成AIより人間

ここへきて、急に、デザイナーの人たちの仕事が忙しくなっています。すべてのデザイナーではないと思いますが、きっちり基礎を固めて、正統派で行こうという人たちの場合、かなり仕事が立て込むようになってきました。生成AIの影響でしょう。

生成AIの場合、それなりのデザインをしてくれますが、勝負をかけてのデザインにはなりません。今までかなりの高額なギャラを出して仕事をしていた有名どころではなくて、実力派の小規模の人たちのところに、仕事を依頼するようになってきたようです。

あったほうが良いかなという程度のイラストなら、生成AIは非常に便利に使えます。勝負どころではなくて、背景音楽のような、ある種の気分を作るものなら、問題ないでしょう。だんだん棲み分けが進んできているということです。これはデザインに限りません。

     

2 各自の伸びしろを活かすためのシンプル化

誰もが同じようにできる、詳細なプロセスを作って、それをある程度優秀な人に実践してもらったら、たしかに実行できるようになります。実際、こういう仕事をしてきた人たちが、大勢いたはずです。詳細なプロセスを身につけた人たちは、「特別」な存在でした。

しかし、こうした詳細なプロセスがあって、ある程度優秀なら同じようにできるものは、急速に価値がなくなってきています。もっと圧倒的な成果をあげようとしたら、詳細なプロセスではダメです。シンプル化しないと、各自の伸びしろが活かせません。

その代わり、シンプル化すると、その使いこなしが難しくなります。シンプル化が必要であるということは、使いこなしを身につけなくてはならないということです。そして、こうやって使いこなせる人の仕事なら、生成AIには負けそうにありません。

     

3 得意分野で生成AIを圧倒していくこと

生成AIの場合、コンパクトでポイントを突いた言葉を選ぶことが苦手です。短い言葉で、お互いが言い合って、それでよしそれで行こうとなった場合、録音を文字化して、エッセンスを抽出するようにと指示を出したら、どうなるでしょうか。まずハズレです。

ある程度、状況がわかる人なら、パッと話が分かって、ポイントはこれですねとなります。リーダーならば、一言で表すと、こうなりますと言えなくては、何でわかんないのと言われかねません。一番の中核を、簡潔に、ピタッと提示することは、人間の仕事です。

たとえば図で勝負しようとした場合、そのとき選ぶ内容が問われます。一発で勝負あったという内容なら、それが一番良いものです。そうしたものは、間違いなくシンプルで、ポイントを突いていて、そのために圧倒することになります。人間ならではの技です。

適切なトレーニングを積んで、自分の得意分野で、生成AIを圧倒していくことが求められます。このとき成果物が、ポイントを突いたものでなくてはなりません。幸い、こうしたシンプルな手法を使いこなすことは、人間が機械よりも得意な分野だろうと思います。