■不可欠な業務の記述と日々の記録:「何となく」問題の対策

      

1 突然やってきた自信喪失

たまたまとは言えない問題が起こっています。一番優秀な教え子が、自信を喪失中です。失敗をしたわけではありません。少し無理をして、体調が崩れたのがきっかけとなって、何となく心配になったようです。いわゆる、がんばれない状況になっています。

4月末から5月初めの連休中に、仕事が集中したようです。そのあと一息ついたと思ったら、突然、激痛で仕事中に倒れました。それで腰を打ったとのことです。ずっと意識はあったけれども、そのときは体が思ったように動かなくなったということでした。

若いですから、すぐに立ち直って仕事を続けていましたが、つづいて高熱を出して感染症になったようです。休まなくてはいけないときに、休めなかったためなのか、原因はよくわかりませんが、疲労が影響していたのでしょう。現在、精神的に参っています。

     

2 自分を他人事のように記録すること

元気そのもので過ごしてきた若者が、社会に出て、いままでにない環境で、努力を続けてきたところ、体が悲鳴を上げたということでしょう。十分に休みが取れる職場環境ならば良いのですが、仕事も任されて、本人も休めないという気持ちになっていたようです。

本人側と組織側と、両方に課題があることは間違いありません。いまは本人の問題を優先させて考えるべき時ですから、当人とは、その話をしています。冷静に自分を評価する習慣がなかったのです。いつ体調を崩したのか、そうした記録もしていませんでした。

まずは記録することです。いつ、どんな条件が重なったのか、それらを並べて簡潔に書いておけば、何か気づきやすくなります。感情も、他人ごとのように記述しておけばよいでしょう。体も精神も、自分から離れたところにある存在として記述することが必要です。

     

3 業務の記述と日々の記録

今後、優秀な人は職場にとって、いままで以上に大切な宝になります。圧倒的な人は、そんなにいるはずはありません。あの人がいなくなったら困るという存在が、職場にはいるはずです。そういう人が問題なく活躍し続けると思っていると、問題が起きます。

属人化の問題は、生成AIの利用にもつながる問題です。雑用から何から、すべて担当させた上に、その人が継続して存在しているという前提があるなら、組織はどこかで崩れていきます。組織も、実態がどうなっているのか、把握をしておかないと危険です。

やらなくてもいいことを、ムダにやっていることは、しばしばみられます。業務を整理すれば、もっとデジタル化できることもあるはずです。業務を把握しておかないと、組織は弱体化していきます。今後、生成AIに任せられることも、どんどん増えていくでしょう。

何となくうまくいっていた個人と組織が、何となくおかしくなっていき、あるところで、お手上げになるという、「何となく」問題がよく起こるのです。客観的な記録がなくては困ります。業務を記述すること、日々の記録を残しておくことは不可欠なことです。