■制約条件と自由
1 ボス的な人との対話
少し前のことですが、ある分野で飛び抜けて詳しい方に、何度か教えを請いました。もう知り合ってから10年以上になりますが、個人的なつき合いがありませんでした。研究会のボス的な存在でしたから年齢もかなり上ですし、とくに会う機会もなかったのです。
とにかく詳しいのです。何かを聞くと、わからない場合でも、その分野のお知り合いに聞いてくれました。研究者ではありませんが、同好の士がいるのでしょう。こういうネットワークがあるのかと思いました。ビジネス感覚とは、ちょっと違ったものです。
時間も資金も自由で余裕のある人ですから、何かを企画する場合、お一人か奥様とでおやりになっていました。そのアプローチの仕方も、何となく違うのです。お話をするうちに、生涯一度も働いたことがないということもわかってきました。まさにそういう人です。
2 制約条件を乗り越えて獲得する自由
だんだん「何となく」というものが見えてくる気がしてきました。ビジネスの世界では、実践が不可欠です。アイデアだけでは、どうにもなりません。実行するためには、どうしたらよいのか、そうした点を詰めていく必要があります。当然のことでしょう。
いくつかのお話が出てきましたが、ご本人は何もしないのです。知識は十分にあります。通常の方法で実現できる定番のコースがあるなら、それに乗ることは可能でしょう。しかし、実現した事例がない場合、まったく何も動かないのです。動けない…感じでした。
制約条件がある場合、それを乗り越えるのには、何をしたらよいのか、それを考えればよいのですが、制約があってできないね…ということになります。それを乗り越えれば、自分たちのしたいことができるはずです。そうすれば自由が得られることになります。
3 目的の実現、目標の達成
何かをしようとする場合に、制約条件があるのは、めずらしいことではありません。逆に、何かしら制約があるのが当然のことでしょう。それを前提にして、実践できる計画を立てることになります。その過程で、制約条件に影響を受けることも当然あるでしょう。
やるべきことが制約条件に伴って、変化していくことは、妥協ではありません。本来何をしたいのか、その目的を実現するために、その形が制約条件に伴って変わっていくだけです。目的が大切ですから、それが良くないのなら、目的を見直さなくてはなりません。
目的が詰められたのなら、それを実現するために、制約条件をクリアしていくことになります。そうやって形が見えてきたものが、どの水準になるべきか、それが目標です。どんな観点から見て、どの水準を超えるべき基準とすべきかというものが目標になります。
目標は数字とか客観的なものです。達成したいと思わせるのは、目的があるからです。目的が個人的な趣味では誰もついてきません。わくわくするような、実現したい目的が必要です。何で一人で企画して、それでも不自由だと言うのか、わかった気がしました。
