■ノート作りを推奨する理由:実力養成の方法

     

1 1時間の講義内容はA4用紙10枚程度

連休中、テキストの見直しをしました。30日に提出したテキストのミスタイプなどを直したり、言い回しを変えたり、小さなことですが100か所くらいを直したことになります。一日かけて印刷したテキスト原稿を、読みながら、おかしなところを直したのです。

6時間の講義ですから、A4にすると60枚を少し超えています。だいたい1時間で10枚くらい進めていく計算です。テキストの記述は、文章にはしません。文章にする気なら、すぐにできる形式にはなっていますが、見出しを立て、構造化した形式です。

もしテキストを読もうとしたら、メモしながら見ていくにしても、3時間あれば最後まで到達できるでしょう。文字数を400字の原稿用紙に換算するなら、A4一枚が2枚か3枚になるはずです。テキストを文章にしたら、150頁くらいの本になるかもしれません。

     

2 一つの分野がA4用紙に60枚

ある分野のことを基礎から知り、仕事で実践できるようにするには、たぶん100頁くらいのエッセンスを知れば足りるのではないかと思います。逆に言えば、300頁を超えたくらいの教科書を、自分用のノートにしようとすると、A4で60枚程度になるはずです。

おおざっぱな計算ですが、講義用のテキストの情報量を考慮すると、分量で言えば、60枚で十分足ります。問題は、教科書のようにすべての記述が必要であるとする前提が成り立たないことです。多くの場合、一冊の本では不十分であり、数冊の本が必要になります。

ごくわずかな記述であっても、極めて重要なものがありますから、複数の資料を参照することは必要不可欠です。それでも中核になる本、ベースになる本があるなら、まだ気が楽でしょうが、ビジネスの場合、そういう本がないことのほうが多いことでしょう。

     

3 実力養成になるノート作り

何人かの若者たちが、勉強を始めています。仕事をしながらですから、簡単に自分用のノートなど、できるはずもありません。それでも、少しずつ進んでいます。ある程度、自分に必要なものが見つかってきたら、その分野に関するノート作りは大切です。

自分のノウハウを記述しておくことは不可欠なことですし、その基礎になった資料を残しておくことも意味があります。基礎分野にかかわる学問領域があるなら、それも関連して、自分の言葉でまとめておくと記憶に残りますし、何かの時に応用ができるはずです。

最初は、何か自分にとって大切なことを記述しておくことから始まります。そこから思わぬ方向に展開していきます。アウトプットしておくこと、つまりは記述しておくことが重要だということです。書こうとすると、様々なことを考慮する必要が出てきます。

テキストを作るのは、手間も時間もかかりますが、思考の整理に効果的です。状況の変化やニーズに合わせてテキストを作り直すのは、自分の勉強のためという面もあります。若者のノート作りを支援するのも、それによって彼らが実力をつけてくるからです。