■若者との対話:長期政権になりそうな高市内閣

     

1 安倍路線の否定が嫌だった若者たち

高市内閣がスタートしました。各機関の調査で、非常に高い支持率が示されています。若者たちに聞いてみると、高市内閣を支持する人しかいません。とくに高市さんのことを知っていたわけではないのです。優秀な気がするという言い方をする人が何人かいました。

いまの高市内閣支持は、少なくとも若者の話を聞く限り、今までの内閣が嫌だったということの表れだろうと思います。高市さん支持というよりも、今までの内閣とは違う点が支持の主な要因のようでした。安倍路線の否定が嫌だったということです。

石破内閣への支持が全くなかったのは当然のこととして、岸田元首相に対する全面否定の若者が多いのに驚きました。岸田内閣にノーが言えなかったので、今度の参議院選挙では、わざわざ出かけて行って、自民党以外に投票したというのです。

     

2 安倍元首相亡き後、動き出した若者

若者たちと、政治の話をするとは思いもよらないことでした。岸田内閣の最後の1年頃から、会話の中に政治の話が出てくるようになってきたのです。それまでの10年、若者と政治の話などした記憶がありません。岸田後継の選定過程で、雰囲気が変わりました。

石破氏個人への支持のなさは、もはやあえて言うまでもありません。しかし驚くのは、岸田氏個人への否定的な発言が圧倒的だったということです。議論の余地もなく拒絶といったところでした。安倍元首相の暗殺の後、若者たちが動き出したという印象があります。

石破内閣誕生の元凶が岸田元首相だということを、なぜかよく知っていたのです。その流れの中で、高市総裁が選ばれました。最初に言ったことは、小泉総裁にならなくてよかったということです。ここでも絶対的と言えるほどの強い拒絶感があったのが解ります。

     

3 「悪夢の民主党政権」から「悪夢の岸破政権」へ

第二次安倍政権が長期で続いたのは、おそらく民主党政権ではダメだという認識が強かったためでしょう。安倍政権の途中から、若者の支持が非常に高くなってきました。若者たちは、先輩たちが苦しんだ就職の状況が、明らかに改善していると実感したはずです。

「悪夢の民主党政権」というのは、疑問の余地のないことでした。前はひどかったという感情です。現在の高市内閣への高い支持は、前はひどかったという同じ感情からきているように思います。あえて言えば、「悪夢の岸破(岸田・石破)政権」ということです。

まだ政権が発足して間もない時期ですから、今後も高市政権が安定的に続くかどうかは分かりません。しかし、若者の支持する構造を見る限り、安倍路線を継承し、発展させていくという方向は、長続きするように思います。長期政権になるかもしれません。

高市さんはどんな人かと、いま好意的に見ているのが若者です。若者の高市政権の支持が8割という調査も出ていますが、話した限りでは全員が支持していました。そう簡単に、この流れはひっくり返らないでしょう。以前からの流れが、そのまま展開しています。