■知的訓練の重要性:生成AIの進歩に関連して
1 仕事に使える生成AI技術
生成AIがどんどん進歩しています。すでに検索をかけると、トップにAIが作った項目が出てくるのを目にしているはずです。どこかの関連サイトの内容をコピーして組み合わせているのでしょう。しかし、これは仕事で使って効果的という程ではありません。
音声を文字化する技術の進歩によって、仕事で使えるようになりました。さらに、自分達の作った文書をもとに質問に答えるチャットボットは、すでにかなりの利用がなされています。成功事例もすでにありますし、現在の技術水準でも十分に使えるものです。
これらは、かなり優秀な社員が対応していた領域にかかわってきます。いわば知的な作業にあたるものが、生成AIを使えば自働化できるということです。知的な作業は、機械化・自働化が難しいと思われていましたが、十分なレベルまで対に来ました。
2 音声の文字化・チャットボット
音声を文字化した文書を見ると、驚きます。人が時間をかけて行ってきたことが、簡単に仕上がるのですから、これは使わない手はないと思います。おそらくもう少ししたら、多くの職場で利用することになるでしょう。ここでも問題は使い方になります。
成果は、生成AIによる知的作業に依存するわけではありません。あくまでも、もともとの音声の内容に依存します。さらに文書化されたものの修正が不可欠です。いままで、音声を文書化するときに、人間が行ってきたことの一部を、生成AIが担うことになります。
チャットボットの方も、質問の回答が適切なものになるかどうかは、記述そのものではどうにもなりません。回答するときのベースになる文書が充実したものかどうかが問題です。回答が適切かどうかを検証しながら、文書の評価と修正が必要になります。
3 知的訓練が不可欠
技術が進歩したからと言って、すべてを技術に依存することにはなりません。すべて技術依存になったら、標準化された成果物が出てくるということです。それでは成果物の差が出てこないということになります。今後も、知的な作業領域を担うことになるでしょう。
音声を文字化・文書化する場合、音声が正確に文書化されていれば合格水準ですから、音声の文字化というのは作業にあたります。正解があるなら、その領域は機械化・自動化が進む可能性が高いということです。それが最近、現実化したということになります。
チャットボットの場合も、回答のレベルは文書の内容次第です。思考を整理して、それをどうまとめるのか、その内容が問われます。かなり広い作業領域を生成AIが担えるようになってきましたから、ますます考える水準が問われるようになるでしょう。
レベルの高いことを考えるリーダーが必要になってきました。リーダーには知的訓練が不可欠になります。今後、リーダーは、ますます個人の能力を磨いていかなくてはならないということです。生成AIの進歩によって、知的訓練の重要性が高まっています。
