■卓越したリーダーの育て方に関する講義
1 できる人に教えるのは困難
8月4日に卓越したリーダー養成に関する講義を行います。今回から新しく作られた講座です。よく成立したものだと思いました。卓越したリーダーを養成することは、出来ませんので、「育て方」の講座です。じつは逆に、これが講座を成り立たせた要因でした。
仕事の出来る人ほど、教えてもらえなくなります。教えられる人がいません。レベルの高い人たちとお話する機会に確認してきましたので、そんな感じを持ちました。圧倒的にできる人と勉強会をしてみると、皆さん、あるところから自分で勉強してきた人たちです。
会社を支える人材ですから、なくてはならないリーダーですが、後を託すリーダーがなかなか育っていません。これは困ったことです。どうすれば卓越したリーダーが育つのでしょうか。そんな話がここ数年、勉強会で出ていました。今回、それが講座になります。
2 卓越したリーダーを生んだ環境
卓越したリーダーというのは、会社の受注の多くを一人で獲得してくるような人たちです。利益率もよい仕事ですから、その仕事が会社を直接支えています。こういう人がいなくなったら、会社は大変なことになりますから、リーダーを育てようとしてきました。
しかし40代になろうとする人たち、あるいは40代の人達の中に、今の卓越したリーダーに匹敵する人は、ごく少数です。これは現在抜きんでている人たちに話を聞くと、仕方ないという気もしてきます。IT業界の場合、ビジネス環境が大きく違ってきました。
跳び抜けた人は、入社5年目にして顧客の会社に常駐して、仕事をしながら、優秀な顧客から実務の話をあれこれ聞き取ってきた…といった経験をしています。3年もすれば、仕事がわかるようになったとのことです。いまは、そんなことができる環境にありません。
3 自分で自分を鍛える
システム導入にコストがかかっても、導入によるインパクトの大きさから、システム導入に企業が本気で取り組んでいた時期がありました。卓越したリーダーが20代後半の頃、伸び盛りの時期に、顧客の要望を日々聞き取っていたのです。これが基礎になっています。
ところが、システムが当たり前のようになってきてからは、必要に応じて会社訪問をする程度の関係になってきました。業務の理解の仕方が、違うのです。このことが問題になってきたのが、コロナの後でした。もはやフォローなしに仕事ができるはずでした。
実際には、まだ不十分なままです。どういうアプローチでリーダー育成をしたらよいのかが問題になります。いまの卓越したリーダーが実力をつけてきたのとは別に、それに該当するようなステップをどう作っていったらよいのか、これは大きな問題です。
リーダーを育てるというよりも、自ずと自分で自分を育てていくようにするしかないでしょう。そのときに押さえておくべき点があります。個人差があることを前提にして、自分で自分用のトレーニング案を作れるようにするということが必要だということです。
