■操作マニュアルと業務マニュアル:作成の難易度の違い

      

1 難易度が高い業務マニュアルの作成

操作マニュアル作成講座を行ってきました。講義が終わった後、今回は講座内容よりも、受講される方々の考え方と、ありようについて、気になっています。業務マニュアルの講座を先月行ったときにも感じていたことが、だんだんはっきりしてきました。

業務マニュアルと操作マニュアルでは、当然のように、記述内容が違います。内容が違うだけでなくて、作成の難易度に大きな違いがあります。業務マニュアルの場合、業務を構築することになりますから、よいものを作るのは、そう簡単なことではありません。

実際、コロナ騒動の前は、業務マニュアル講座は中級講座で、操作マニュアル講座は初級講座と表示されていました。ところが、作成者が重なってきています。事前アンケートを実施させていただくようになったのも、こうした現実を反映させるためでした。

     

2 意識して標準化し定型化すること

業務マニュアルの作成というのは、今ある業務の仕組みを記述すればよい、という考えが前提にあるのかもしれません。しかし実際には、現在の業務を記述すれば足りるケースは、少数というべきです。たいてい業務の仕組みを整理して改善する必要があります。

業務の仕方は、各人で違いがあっても構いませんが、ある幅の中で標準化されていることが必要です。ブレの幅を極めて小さくとる場合、これが定型化になります。これは自動化に向いていますから、これからは生成AIなどの利用と結びついていくはずです。

こうして標準化し、定型化していくのは、自然の流れではありません。意識的にそういう仕組みにしていくということです。知らないうちに、おのずからそうなるのとは違います。業務を構築しているために、業務マニュアルを作成する必要があるということです。

      

3 求められる効果的な作成方法の案出

操作マニュアルと業務マニュアルは、同じくマニュアルですから共通性があります。しかし圧倒的に業務マニュアルの方が、高度です。組織の業績に直接かかわります。この点を、どこまで強調するかが問題です。講義の後、担当者ともお話ししました。

コロナ騒動が落ち着いてすぐの時期には、業務マニュアルというのは、どういうものか、マニュアルとは、そもそもどういうものなのか、そんな感じで中級コースの業務マニュアルをお聞きになる方がかなりいたのです。徐々にそれが落ち着いてきています。

しかしまだ過渡期です。これから業務マニュアルの高度化に向けて、講座を実施する側はどうすべきか、担当者ともすり合わせをすることになりました。前提となる条件をなるべく減らして受講していただくとともに、成果を上げられるようにする工夫が必要です。

決まり切った業務でも文書化するのは、あんがい手間取ります。それを、新規の業務を構築するところまで持っていくには、従来と違った方法での講義が必要です。進む方向では、開催側の担当者と一致しています。さあ、どうしようかと考え始めたところです。