■操作について:操作性をよくするために必要なこと

     

1 「操作」とはどういうものか?

6月10日に操作マニュアル講座があります。まだテキストができていません。これから事前アンケートの内容を反映させたものにするつもりでいます。いま思いついた点を記録しています。特に大切だと思うのは、「操作」とはどんなものかということです。

操作マニュアルですから、言葉で見る通り、「操作」と「マニュアル」に分かれます。一体化した文書が操作マニュアルですので、分離するだけでなく、統合する必要があることは確かです。ただ操作を正面から扱うことが少ないように感じています。

操作とは、どんなものでしょうか。人が使う方法のことです。機械側がこう使ってほしいという正解を提示しています。正解は一つには限りません。複数あることもめずらしいことではないでしょう。その一方で、操作の不正解もあるということになります。

      

2 操作性が良いとは?

操作というのは、簡単なほうがよいに違いありません。シンプルでわかりやすいということが大切です。操作性が良い悪いという言い方があります。操作性が良いというのは、簡単ですぐに覚えられるということです。人間の感覚に合合致することでもあります。

こうした操作性をよくしようとする場合、欧米企業などでは、たった一人の天才的な人に、操作の仕方について考えてもらったり、指導してもらうこともあるようです。日本の組織ではあまり見られませんが、欧米では、個人の力に頼るところがあります。

セイコーの時計のブランドを上げるには、ブランド化するのが得意な専門家を一人雇って、その人に権限を与えるようにと、スイスの時計メーカーのホイヤー会長が大前研一に語ったことがあったようです。操作性に関しても、別のアプローチもあるでしょう。

      

3 操作の「見える化」

操作性をよくすることが、操作の最大の問題です。シンプルで人間の感覚に合うもの、そういう操作なら、わかりやすくてすぐに覚えることができるでしょう。では、どうすれば、シンプルになるのか、人間の感覚に合うように出来るのか、そこが問題です。

操作を見える化する必要があります。操作が「見える化」されたならば、操作性を論じることができるでしょう。見える化するとは、操作を記述することです。つまりは操作マニュアルを作成することが、操作を「見える化」することになります。

マニュアルが適切に作れたなら、操作に対する検証が可能になるということです。操作のステップがいくつあるのか、操作マニュアルを見れば一目瞭然になります。ステップの数を減らすことができたなら、原則として、使い勝手はよくなるはずです。

あとは検証しながら、操作性の評価ができるようにしていくことになります。操作性が良くないために売れなかった製品の話は、最近あまり聞かれなくなったかもしれません。しかし現在でも、操作性は製品の評価にかかわるものです。本気で考えるべきでしょう。