■操作マニュアルの作成と生成AIのチャットボット利用

      

1 操作マニュアルをめぐる環境変化

操作マニュアル作成講座が6月10日に開催されます。今回は、従来の講座とお話する内容がかなり変わりそうです。事前アンケートをお願いしていますので、現時点で参加される方々の受講目的が確認できました。その内容に即した講義にするつもりでいます。

しかしそれだけではなくて、操作マニュアルをめぐり環境変化がありますので、それについても反映するつもりです。何が変わったのか、たぶんお気づきの方もいらっしゃるでしょう。言われれば、何だということになりますが、生成AIの登場ということです。

生成AIによるチャットボットの利用を考慮に入れる必要がでてきました。これはすでに成功例も多い確立した技術と言ってよいでしょう。技術進歩が急速に起こり、利用料の負担も急速に低下しています。大企業のみならず、中小企業でも導入可能になってきました。

      

2 生成AIのチャットボット利用

生成AIによるチャットボットの利用に関して、もはや古いという意見があります。だから使わないという論理も成り立つかもしれません。しかし、たぶん違います。利用が停滞している理由は、たいていの場合、スキル不足で適切に利用できていないからです。

生成AIによるチャットボットが成功した場合、利用者の質問に対して、かなり正確で自然な回答をしてくれるでしょう。成功事例では、生成AIが十分なデータや情報を学習しています。必要なデータや情報を整備することが前提条件になっているのです。

こうした資料が自動的に集まるわけではありません。適切な回答をするのに必要なデータや情報を集めて、整理することが必要です。それらを学習させたうえで、チャットボットが適切な回答をするかを検証していかなくてはなりません。あんがい、面倒です。

      

3 操作マニュアル作成のスキルが基礎

もうおわかりだと思いますが、生成AIによるチャットボットを適切に使うために、操作マニュアルを作るスキルが不可欠になっています。しかし一部からは、生成AIのチャットボットがもう古い技術だという声も聞こえてくるのです。ゴマカシのように響きます。

利用が停滞しているのは、生成AIが学習するのに必要なデータの整備が簡単にできないからでしょう。いくら生成AIの技術進歩があっても、学習用のデータや情報がなかったら、どうにもなりません。データや情報が自動的に提供されることは当面はないでしょう。

利用する組織が、必要となるデータや情報を集めて、学習を促進しなくてはなりません。それができないと、チャットボットから適切な回答が出てきませんから、困ったことになります。逆に、操作マニュアルを作るスキルがあれば、問題にならないのです。

操作マニュアルが適切に作成できるならば、まだチャットボットなしでも問題はないでしょう。適切な操作マニュアルがあれば、簡単に該当項目に到達できるからです。逆に、操作マニュアルを作るスキルがあるなら、必要なデータや情報の収集など簡単でしょう。