■中島聡『結局、人生はアウトプットで決まる』から
1 一次情報を大切にすること
中島聡の『結局、人生はアウトプットで決まる』を読みました。今頃です。2018年に出ていました。題名を見れば、まず読みそうにありません。中島聡という著者名があるから、読む気になりました。この人は、ウィンドウズの開発で名の知られる人です。
[アウトプットをする際に特に大切なことは、インプットのときにできるだけ生の情報を直接受け取ること](p.15)とあります。具体的に、どういうことをいうのでしょうか。まず[生の情報とは、一次情報のこと]だとあります。一次情報とはどんなものなのか。
▼アマゾンの戦略について発信したければ、書店にあふれるアマゾン関連のビジネス書を読むのではなく、まずはアマゾンCEOのジェフ・ベソス自身の言葉に耳を傾けるべきだと思います。ベソスの場合、数多くのインタビューに出ているし、毎年株主向けのメモも書いています。彼の考え方を知るには絶好の一次情報です。
2 プレゼントディベートの効果
中島聡の言う「一次情報」は、世の中にあふれています。当事者の発信は、加工の少ない情報ですから、これを重視するということが大切です。人が分析したものを使うよりも、「生の情報」から自分で感あえて見る必要があります。これは原則と言えるでしょう。
中島聡は30年ほど、アメリカのシアトルに住んでいます。日本とアメリカの子供たちが、[高校の2、3年生あたりから、目に見える違いが出てくる]そうです。[「妙に大人っぽいしゃべり方をする子供たち」が現れる]点にあると記しています(p.36)。
こういう学生がリーダーになっていくようです。中島は、違いが生まれるのは、[大まかな理由として、二つ考えられます。それは、「プレゼンテーション」と「ディベート(討論)」の樹上の有無です](p.36)。10歳ころからの授業が違いを生むということです。
3 アウトプットの基本
ビジネス人になってしまった人たちは、もう10歳の頃には戻れません。いまからトレーニングしようとしたら、書くことが必要だということになります。これがアウトプットです。たくさんの「一次情報」があふれる世の中ですから、書く素材はあります。
書くときの文章は、どんな文章が良いのか。中島の答えは[一言で言えば「合理的な文章」です](p.103)。まずは書くしかありません。書こうとすると、情報収集をすることになります。したがって、重要なのが[アウトプットを継続することです](p.117)。
書こうとして、情報収集をして、それを合理的な伝わる文章で書くということを、継続していくということになります。当たり前の話です。プールの前で、どうやって飛び込んだらいいのかと聞かれた、注意深く飛び込んでくださいと言われるような話でしょう。
中島は、もっと踏み込みます。[東洋経済オンラインの記事のタイトルには、「理由・事実・実体・全容・真相・真意・背景・末路・顛末・奇妙な関係」といったワードがずらりと並んでいます](p.159)、ここから学べということです。具体的で役立ちます。