■小さな絵画教室の運営:ささやかな経験から

     

1 2008年に油絵教室設立

渋谷油絵教室を作ったのが2008年の2月でした。今年の2月で17年になります。絵をやるのなら、きちんとした教室で習いたいという思いがありました。しかしなかなかそういう教室がないというのが現実です。自分なりの教室を作ろうと思いました。

基本的な枠組みは、どこにでもあるようなものです。いい画家に指導をお願いして、継続的に見ていただけるようにすること、一人の画家への負担が大きくなりすぎないように、連携のとれる複数の画家に来ていただけるようにすること、こんなところでした。

先生方に喜んで来ていただける会にすれば、うまくいくだろうというのが基本的な発想です。本当の問題は、絵を習う人が集まるかどうか、その人たちが本気で絵を習う気があるかどうかということになります。人は、そう簡単に集まりません。

      

2 不可欠な最初の核となる人達

新しい会にいらっしゃる人たちは、たいてい気楽な気分で来てくださる人です。画家を知っていたり、絵を習いたいという人だったり、最初から参加するつもりがある人達にお声をかけて反応を見ます。最初の核になる人がいないと、広げることもできません。

2人3人と可能性のある方が集まりそうになったら、画家との話を詰めていきます。活動場所も決めて、先生にも納得していただいて、少人数でスタートするしかありません。ここから後は、会員募集が最大の問題になっていきます。口コミはあまり期待できません。

いきなり新しい教室に入りたいという人は限られています。少人数で、質の高い活動をしていることをアピールするしかないでしょう。毎回の活動をHPのブログで公開しながら、体験レッスンができますという形式での募集となりました。

     

3 活動をHPで公開

絵を習いたい人でも、ほとんどの場合、初心者です。それでもセンスの良し悪しに差があります。会員のレベルがとても大切です。毎回の活動というのは、絵の制作経過をすべて見ていただくということです。その日の作品の状況を撮影してHPにアップします。

これが蓄積していくと、その教室の活動がなんとなくわかるようになるはずです。最初からそういう形式で活動を進めていくと、会員も自分の絵の記録が残って勉強になると言いますし、他の人の絵もなかなか見られないので、それが刺激になると言います。

HPを見てくださる人にも、同じ傾向があるようです。活動を毎回公開している教室はあまりないらしく、絵画教室や油絵教室での検索順位も上がっていきました。それに伴って、体験レッスンを希望される方々が増えてきたということです。

じつはここからがポイントになります。どなたでも入会できる会ではダメです。選抜が重要になります。よい教室にするには、活動の質を上げて入会希望者を増やして、実際の会員のレベルを上げるしかありません。まだ不十分ですが、会の維持はできています。