■やる気のないスタッフに苦労する若手リーダーのその後
1 残業なしの体制を整える
昨年、全くやる気のないスタッフにお手上げ状態になってやって来た若手リーダーがいました。「新しい状況への対処:やる気のないスタッフに苦労する若手リーダーの相談」というブログに書いたケースです。その後、どうなったのかを書いておきます。
前のブログに、状況を詳細に書いたわけではありませんが、思い当たるという人がいました。その人は、前の仕組みを大きく変えて、残業なしでやっていける体制を整えたようです。効果はあったようですが、しかし、それでもやめていきますよとのことでした。
前よりもよくなったけれども、限界があるということです。昨年、相談に来た若手リーダーも、残業なしの体制を一気に整えて、成果も落ちていませんということでした。しかし当然のように、やる気がない人たちの中には、ついてこられない人がいます。
2 辞める人がいることを前提にした仕組み
今年に入って、そのリーダーから、やはり一人は無理かもしれませんとの連絡が来ました。20代で転職を繰り返した結果、会社に通うこと自体がストレスになってしまっていると訴えがあったとのこと。体調を崩して、精神科に通っているようです。
こういう話は、別の方からも何度か聞いています。コロナの間に、会社に通うことが少なくなって、さあ、出社してくださいと言われても、会社に行きたくないという人が出て来ているようでした。週に1回程度なら気晴らしにいいけれどもと言われたそうです。
やはりそのうちの何人か早めていくということでした。会社に出ていきたくなかったら、辞めるのは予測できます。管理者の地位にある人たちからに聞いてみると、うちは大丈夫ですという人がいました。辞める人が出ることを前提に仕組みがつくられているのです。
3 リーダーの対処の限界:会社自体の危機
若手リーダーは、かなり大幅な仕事の見直しをして、明らかに仕事が楽になったと感じるレベルまで来たのにと、嘆いていました。当面、リーダー本人の負担が大きくなるけれども、それを徐々に効率化していけるという判断があったようです。
少人数のチームの場合、一人辞めるだけで大きな影響があります。負担の少ないリラックスできる状況を作ったつもりでも、辞める人が出てくるのは仕方ありません。従来の人数よりも一人分を引いてでもやっていける体制を整える方向で行くしかないでしょう。
従来から営業成績はトップクラスの部門でしたから、相変わらず成果にこだわっていましたが、もはや成果は現状維持のレベルで満足するしかありません。もしものために備えて、一人分少ない人数でも、同じ仕事ができる体制にすることが目標になります。
従来通りまじめに働く人がいる一方、やる気をなくした人がいることは確かです。離職率がここ数十年で一番ひどいという会社もめずらしくありません。リーダーは対処するしかありませんが、社長が本気を出さないと、会社自体が危機に陥る可能性があります。