■文章の書き方講座を終えて:標準形式と分析ツール
1 新設の講座
文章の書き方講座を行ってきました。事前にアンケートを実施していただき、その内容を反映させてテキストを作ったつもりでしたが、新設の講座は思ったように行きません。残念ながら、苦痛したつもりのところでも、これは失敗だと思う点がありました。
講義というのは、ありがたいものです。お話してみると、伝わっているかどうか、何となくわかります。丁寧に説明しようとして、シンプルでなくなった点がありました。多すぎる情報がノイズになってしまったようです。伝わらなかったら意味がありません。
関連事項をまとめて、ステップ方式にした方が良かったかなと思って、修正案を作ったところです。重要事項を説明した後に、具体例がないと伝わらないと感じたところもありました。図を加えて説明したほうが伝わりやすかったろうという点も見つかっています。
2 受講目的・要望は2つに収斂
改善点をテキストに書き込んでみると、数十の赤が入りました。何で気がつかなかったのかというところもあって、反省しています。しかし大筋の方向はこれでよいかなと確認できた点が一番の収穫でした。これならば、改善していけば何とかなるかもしれません。
事前アンケートで、受講目的・要望をお聞きしたさいに、2つのポイントが上がっていました。一つは、「わかりやすい文章」「正しく伝わる文章」が書きたいということ、もう一つは、文書の構成についての標準的な作成方法が知りたいということです。
文章と文書の作成について、どうしたらよいかということになります。文書作成の場合、A4一枚という分量が定番化してきましたので、文書の構成でも標準形式が採用されはじめています。個々の文章では、文法的分析によって自己検証ができることが大切です。
3 標準形式と分析ツール
文書の作成について標準形式を覚える必要があります。逆ピラミッド構造と呼ばれるものです。結論を先に書き、本文を置いて、最後にまとめ・展望で締める形式を採用したA4一枚の文書が書けるようになれば、文書作成の基礎ができたと言ってよいと思います。
個々の文章については、センテンスごとに分析ができるなら、それで十分でしょう。この際使える文法事項はわずかなものです。しかし、ここの説明が今回、残念無念なことになりました。わかりにくかったと思います。改善点が多く見つかりました。
文法は万能ではありません。一番おいしいところだけ分析ツールとして採用すれば十分でしょう。それよりも自分の文章感覚を活かして読んでいくことが大切です。ただし、自己検証が必要ですから、やはり分析ツールとしての文法は不可欠だろうと思います。
分析ツールとしての文法を、どうしたらわかりやすく説明できるか、それを身につけるのに、どうするのが一番よい方法なのか、もう一度詰めなくてはなりません。今回、貴重な機会をいただきました。受講された方々に感謝しています。