■「ビジネス文章・技術文章の正しい書き方」:講座のコンセプト

    

1 原点回帰

昨日、新設の文章作成講座のテキストをどうにか完成させて送りました。講義内容が二転三転しためずらしい講座です。最初に提示されたコンセプトが少し修正になって、内容を変更したところ、担当者から前のほうがよかったとのご意見がありました。

修正というのは難しいものです。いままでのものをすべて捨ててゼロベースで作り直すことにしました。その方が早いですし、たいてい良いものになります。しかし今回は、事前アンケートを見て、これは要望が違うのだと気がつきました。

ああそうかという感じです。違和感はありません。15年ほど前の業務マニュアルの講座を作ったときの内容に近づいていくのを感じて不思議な思いにとらわれました。文章の分析がビジネスでも重要だということです。では、どうすればよいか、そんな話でした。

      

2 シンプルで安定的な流れ

物事は、シンプルで安定的な流れのものが定着していきます。業務プロセスを考えるときに、マニュアルを見れば、自然にわかることがあるはずです。作業量が多かったり、場合分けが多ければ、業務プロセスが複雑化しているといえます。見直しが必要でしょう。

結論を導くときも同じです。自然な思考の流れになっていない場合、注意しないといけません。強引な論理が必要になるのは、どこか無理があるからでしょう。こうした論証のプロセスも業務プロセスと同じです。シンプルで安定的なものが自然に感じます。

プロセスが詳細で厳格なものになると、クオリティが高いもののように思われますし、実際にそういうケースもありますが、やはりどこかがおかしいのです。同じクオリティでもっとシンプルな工程が可能かもしれません。複雑化するとリスクが生じます。

     

3 分析ツール+洞察力

詳細で厳格化するのは、成熟化するのと同じです。改善を重ねてきて、クオリティも上がってきています。それは、そろそろ伸びしろがなくなってくる警告かも知れません。別のアプローチが必要だというふうに考えてみる必要があるように思うのです。

業務でも論証でも、プロセスを見るのに、文章化したものが役に立ちます。思考の見える化が文章化だと言ってもよいでしょう。文章を基礎にして、それを分析していけば、何かが見えるはずです。その方法が必要になります。分析ツールが必要だということです。

文章を分析するときに、文法が役に立つのは言うまでもありません。同時に、文法だけではどうにもならないところがあります。文法の領域の中でも、一番使えるおいしい部分だけを使うほうが効果的でしょう。分析ツールもシンプルなほうがよいということです。

すべて自動的に正解が出るというのは、あまり価値のあることではありません。それは機械がやればよい領域です。今後も洞察力を働かせなくてはならない領域は広く残っています。洞察力を働かせるためのアプローチも必要です。講義は10月24日にあります。

      

ビジネス文章・技術文章の正しい書き方【会場・オンライン同時開催】