■日本の状況は相対的には悪くない:学生たちを見ながらの印象
1 コロナ以降の変化
後期の講義が始まりました。標準的な問題演習をしながら、様子を見ています。今年の学生は、どのくらいのレベルかを確認中です。日本人はどんな感じか、留学生はどんな状況なのだろうかと、彼らの状況を見ながら、講義内容を決めていきます。
日本人の方はコロナの問題があったときには、極端なほどまじめに授業に出てきていました。しかし、特別成績が良かったわけではありません。何らかの危機感はあったのかもしれません。まじめだということは悪いはずなくて、結果として、成績は伸びました。
留学生の場合も、同じです。コロナの時期に入って、まじめな学生が多くなりました。成績は、そう変わりません。しかしまじめならば、成績は伸びていきます。今年は、日本人学生と留学生で、やや違いがでてきました。ちょっと面白いと思って見ています。
2 コロナの影響がまだ残る留学生
もはや、コロナの影響はなくなりました。日本人学生の場合、あきらかにコロナのあとの学生だという感じをもちます。極端なまじめさはなくなって、勉強が好きでもない学生たちが、そのときどきで欠席するようになりました。とはいえ欠席はごく少数です。
留学生の方は、昨年と大きく変わりません。相変わらずまじめなままです。日本語学校にやってきて、そこから専門学校に来ていますから、まだコロナの際の影響が感じられます。あえて日本に留学に来たのですから、どこか必死なところもあるのでしょう。
先日、留学生たちに、白地図を渡して、それらに日本の都道府県名を書いてまらいました。まだ漢字で書けない学生もいますが、おそらく普通の人が見ると、驚くはずです。一部の学生たちは、ほとんどすべての都道府県を正確に記入します。
3 チャンスがある日本
コロナ禍で、ある種の恐怖があったのでしょう。それがまじめさにつながった気がします。こういう背景ですから、いいとばかりは言っていられません。この影響が消えてきた日本人の学生を見ながら、今後を予測しています。さあ、どうなるのでしょうか。
現時点での観察は、今後修正される可能性があります。まだ、これから見ていくしかありません。おそらく間違いないことは、人手不足のサービス業界を志望する学生たちですから、就職は悪くないだろうということです。それを学生は何となく感じ取っています。
日本人学生は、先輩たちの就職状況が良いことに、ある種の楽観的な気持ちになっているようです。昨年までよりも、元気な学生が多く感じます。留学生たちは、日本でチャンスを得るという感覚があるのでしょう。海外では、景気後退の地域がかなりあります。
出席している学生たちの成績は、日本人も留学生も、やや良くなってきていますので、全体としてみると悪くないのです。相対的に見ると、日本の状況はそうひどくないのだと気づきます。本気で取り組む人たちはチャンスが得られる状況と言ってよいでしょう。