■若者のPCばなれの問題:PC再入門が必要?

     

1 スマフォがあれば困らない

社会に出てから3年、4年とたった若者たちと話をしてみると、ごく一部を除いて、PCを使わなくなってきています。学生時代にPC使いで知られた若者は、その分野の会社で活躍すると思われていましたが、いまはスマフォだけですとのこと。驚きました。

一人は、仕事でPCなしはありえないとのことでしたが、サービス業の場合、仕事でもスマフォだけで済むところが多くなってきているようです。PCが固定電話のように見えてきました。あってもいいけど、不可欠ではないという位置づけのように感じます。

実際に企業では、スマフォ対応のHPを作っているところが普通ですし、検索もPCからよりもスマフォからの方が多いというのは、ずいぶん前に聞きました。これも時代の流れなのかもしれません。しかし、これで困らなければ良いのですが、不安もあります。

       

2 新人がメモを取らない

最近の若い子は、メモを取らないと若者たちが言うのです。私のところに来る若者は、筆記用具を持ってくるようにと言われるので、ノートやペンを持ってきます。それが当たり前になっていて、当然のように必要事項を手書きすることになるのです。

そんなに大量のメモを要求するのではありません。大量の文字を手書きすると、指や手が痛くなりますから、詳細は入力で、と伝えます。このとき、ほとんどがスマフォに入力するのです。まあいいかとも思いました。しかし彼らが新人に違和感を持つのです。

たとえば必要項目をあげるときに、紙に項目を筆記するくらいのことは、苦になるものなのでしょうか。個人差があるにしろ、項目数が増えると、もう無理という人がでてきます。そのレベルの若者が、新人がメモを取らないと言うので、苦笑していました。

     

3 PC再入門が必要?

大量の文字を手書きしていた世代が、PC入力を知って便利だと思ったあの感じは、もう味わえるはずもありません。手書きが例外になってきたら、持ち歩きに便利なスマフォが優位になってきたのでしょう。しかし長い文章の入力はPCの方が楽なのだそうです。

卒業3、4年ですから、同期のトップランナーはすでに管理職にあたるリーダー職に就きはじめています。リーダーになる前にいくつかの課題を与えられているケースもありました。そろそろPCが必要になるでしょうねと言うと、そうですよねと答えます。

しかし問題は、一定以上の長さの文章が書けないということです。学生時代にPC使いだった若者も、PCで長い文章を書いていたわけではありません。ほぼ全員、社会に出てから、長い文章を書いてこなかった、書かなくて済んだということでした。

手書きでメモが取れること、一定以上の長さの文章が書けることは、リーダーの地位につくのなら不可欠な、前提とされる能力です。書こうとしなくては書けるようになりません。一人はPCを買うと言っていました。PC再入門が必要なのかもしれません。