■新規所属者を最も早く戦力化するための方法

     

1 「新規所属者を最も早く戦力化するためのマニュアル作成と指導のノウハウ」

10月1日にセミナー講義があります。「新規所属者を最も早く戦力化するためのマニュアル作成と指導のノウハウ」というものです。この講座名では、もしかすると講義内容がよくわからないかもしれません。開催するスタッフが考えてくださったものです。

案外うまいタイトルだと思います。「新規所属者を最も早く戦力化するため」には、何が必要か、どうするのがよいか…というのが講義の内容です。それに対する答えが「マニュアル作成」をして「指導」することということになります。そのノウハウの講義です。

ここで使われるマニュアルがトレーニング用のマニュアルです。OJTマニュアルという言い方をする場合があります。あるいは、トレーニング・プログラムという言い方をすることもあるはずです。普通にいわれるマニュアルとは、少し違っています。

     

2 3系統のマニュアル

マニュアルには、3系統のものがあります。業務マニュアルと操作マニュアルは、よくお聞きになることでしょう。これとは別に、前述のトレーニング用のマニュアルがあります。これら3系統のマニュアルに基本的な違いがある点、意外に知られていません。

業務用のマニュアルと操作用のマニュアルの一番基本的な違いは、業務と操作の違いにあります。業務には正解がありません。一方、操作には、目的の機能を利用するために、こうしなくてはいけないという正解、カチッと決まったルールがあります。

業務は、つねに改善が必要であるというのが原則です。操作の場合、決まった操作方法をわかりやすく伝えるのが一番大切なことになります。これらは業務をする人、操作をする人向けに作られるマニュアルです。この点、トレーニング用のマニュアルは違います。

     

3 適切な指導を実践するためのマニュアル

トレーニング用のマニュアルは、トレーニングをしなくてはいけない対象者向けのものではありません。指導する側のマニュアルです。指導する側が、適切な指導をするために、どうするのが効果的かを記したマニュアルがトレーニング用のマニュアルになります。

OJTを行うにしても、教える人によって、成果に大きな違いが生じることは、多くの人が感じることでしょう。いかに成果を上げるトレーニングにするかを、教える人も、組織側も、本気で考えなくてはなりません。そのために、どうするのがよいでしょうか。

まず、記録して改善できるようにすることが必要です。どう教えるのか、どう教えたのか、検証できるようにすることから始めるのが王道でしょう。何が効果的なのか、突き詰めるためには、記録がなくては感覚的になりすぎます。マニュアルが必要です。

効果を上げるトレーニング方法を知っている組織が、強い組織だということになります。成果を上げた方法が記録され、利用できる体制が必要だということです。では、どう記録していくべきか、内容はどうあるべきか、そんなお話をしています。あんがい大切です。