■「体系化」の評価基準

      

1 どんな風にまとめるべきか

昨日、講義用のテキストを送付しました。これから、どう講義をしていくか、検討に入ります。6時間の講義ですから、A4の用紙に60枚程度の分量です。本、一冊分にあたります。毎回迷うのは、全体をどうまとめるかということです。

必要となる内容のピックアップは、それほど難しいことではありません。それよりも、どういう人が受講するのか、そちらが問題です。受講する人の要望を考えて、内容が選択されますので、「誰に」が決まると、「何を」も決まってくるということになります。

それにしても、よく言われる体系化というのは、どんなものなのでしょうか。どんな風にまとめたらよいのかを考えるときに、きまって体系化ということが意識にのぼります。たんに、きれいに整理整頓すればよいというものでもないですから、簡単には行きません。

      

2 「organize」して「systematically」に行う

何かをまとめるときに、「誰に・何を・どのように」するのがよいのかと考えていくのが原則です。その時、どう体系化したら伝わるか…を考えることになります。「テキスト+講義」によって、参加者の聞きたいことがわかるようにすることが必要です。

以前にドラッカーの言葉の使い方をチェックした際、2系統の言葉を使っていることに気づきました。「体系的に、系統的に、組織的に」行う場合、「systematically」に行うことであり、「構造化する、体系化する、まとめる」なら「organize」するということです。

ドラッカーが「体系的に行う」と書いている場合、「systematically」が使われ、「体系化する」場合には、「organize」になっていました。テキストを「organize」して、講義を「systematically」に行うということが必要なのかもしれません。

      

3 体系化の評価基準としての成果

「誰に」を考えることで、ニーズを探り、そのニーズに対して「何を」提供すればよいのかが決まってきて、それに伴って、「どのように」ということが問題になります。このとき「体系化」という言葉が、ある種のキーワードになっているのです。

日常的な言い方ならば、「きちんとまとまっている」かどうか、という感じでしょう。受講する側の視点に立てば、きちんとまとまっているから「わかる」というのが評価基準のはずです。講義をする側なら、「わかるように」まとめたかどうかがポイントでしょう。

きちんと行う、きちんとしたものにすれば、成果が上がるということです。体系化という言葉を考えるときに、成果が上がるかどうかの評価が絡んでくることになります。たんにきれいにまとめるのではなくて、成果が上がるようにまとめるということです。

体系化を考える際に、成果を考えなくては意味がないでしょう。「誰に・何を・どのように」行えば、成果が上がるのか…という基準で考えて、それに適ったものならば、体系化が成功したと言えるのかもしれません。今回、こんなことを考えて作成していました。