■業務の実体の変化:業務マニュアル作成講座からみえてくること
1 参加者の若返り
業務マニュアル作成講座が5月27日にあります。今回も事前のアンケートを実施していただいたので、それに合わせた講義内容にするつもりです。しかし簡単なことではありません。大きな変化が起こっています。どうやら新しい状況になってきたようです。
業務マニュアルと操作マニュアルの違いが、よくわからないという人は、めずらしくありません。マニュアルについて学んだことがないので、この機会にマニュアル全般について知りたいという人も毎回いらっしゃいました。この点は同じなのです。
新しい状況になったと感じるのは、参加される方の業務経験の違いです。コロナ前には部長さんも含めたベテランの方が必ず何人か参加されていました。コロナ後、明らかに若返りしたようです。入社数年の方が中心的な参加者になってきました。
2 若手が業務マニュアルを作ること
業務マニュアルは、ビジネス文書の中でも作成が一番難しいものでしょう。したがって、リーダー的な立場の方が参加するのが常識的なことでした。業務を作る人は、ある程度仕事を経験してきた人だというのが共通認識だったのです。
ところが業務経験が長いからといって、業務マニュアルを作ってきたわけではありません。作り方を習ったわけでもないでしょう。そうなるとリーダーがもう一度勉強して、業務マニュアルを作るのがよいかどうか、微妙な問題になります。
若手に勉強してもらってその人たちに作成してもらって、いずれリーダーになってもらったほうがよいと、こんな考え方になっているのかもしれません。何となくですが、そんな気がするのです。では、これは無謀なことでしょうか。そんなことはないのです。
3 ビジネス環境の変化
直接かかわった人達を見ても、仕事の出来る若い人たちは、一気にマニュアルのつくり方を身につけます。実際のところ、サービス業でいいマニュアルを作っているのは入社数年目の人達です。経験が長いほど作成に有利ということにはなっていません。
世の中の変化に合わせて、業務を大きく変えていく必要が出てきています。業務が若返ったという感じです。業務マニュアルの作成者が若返ったとしてもおかしくありません。当然、いままで知っていたはずのことも知らない前提での講義にする必要があります。
かつてのメーカーには、マニュアル作成を指導する人がいたはずです。そういうお話を聞いていました。しかし現在では作成を指導する人がいる組織のほうが、めずらしいということになっているようです。マニュアル化できないというお話が出てきています。
基礎的なことを確実に押さえて、効果的なマニュアルが作れるように、講義を全面的に作り変えなくてはいけません。今回の講義テキストも、ほとんどの項目が入れ替わっています。ビジネス環境が変わって、業務の仕方が変わってきているということでしょう。