■上達と定着:効果を意識すること継続すること

1 基礎を重視・変化を意識すること

基礎を軽視するなとよく言われます。様々な分野で、同じように言われますので、ある種の標準的な考え方なのでしょう。逆に言えば、最初にきちんとやっておかなくてはまずいものが基礎であるといえます。基礎の上に積み重ねていくという構造です。

もう一つ、専門家なら常識化していることがあります。きちんとした訓練なら、一日でも効果があるはずだということです。リハビリテーションの場合、きわめて大きな差が出ます。正しい方法で練習すれば効果がありますから、それを見出すことが大切です。

たった十数分でも、正しい訓練なら反応があります。その反応がわずかなので、なかなか気づきません。わずかな変化を意識することが大切になります。実際のところ、ある程度、継続しないと、正しいと思ってもなかなか確信が持てないこともあるでしょう。

      

2 「最低3カ月はかかります」

基礎を大切にするようにという場合、基礎ができたから、もういらないというのではなくて、継続して徹底的に身につけなくてはダメだということになります。一定期間の継続が必要です。それがどのくらいの期間なのか、対象となるものにもよるでしょう。

先日、夏休み中に油絵を描けるようになりたいという相談が、主催している油絵教室に来ました。初心者では、これは無理です。念のために指導をお願いしている画家に確認してみると、基礎から始めて、「最低3カ月はかかりますよ」とのことでした。

まったく何も知らないという人が、それなりのレベルになるには、3カ月なのか、もっとなのかは人にもよるでしょう。いきなり油絵を描いても、思ったような成果が上がりません。オイルパステルや水彩で、形をとる練習、色彩感覚を身に着ける練習が必要です。

      

3 進むべき方向の適切さ

油絵をやってみたいという人は、楽しみでやってみたい、何もやったことがないから、とにかくやってみたかっただけかもしれません。それに対応する教室もあるはずです。しかし本気で上達しようとしたら、こういう考えで絵を始めないでしょう。

少しずつ上達していく感覚を持てるように、指導する画家たちが工夫しています。それにこたえる人たちがいるからこそ、成果を感じることができるのです。基礎を積み重ねていく気持ちを持った人の場合、いきなり油絵を描かなくても、不満には感じないでしょう。

絵に限りません。ある分野のことが、いきなりわかるようになるはずはないのです。専門家たちが言及する本をすぐに理解できるようになりたいと言っても、無理だということがあります。入門書を読み、教科書を読み、基礎を身に着けなくてはならないでしょう。

効果を意識し、自分の進むべき方向が適切であるかどうかを、感覚的に知ることが大切です。それを見出したなら、継続が不可欠になります。これは当たり前のことでしょう。しかし成果ばかりに目が行きがちです。気をつけないといけないと、改めて思いました。