■図解が重視される理由:トレンドと原則

        

1 文書に載る図の数が減るトレンド

図解の講座が今月開催されます。やっとコロナ前の定員枠になりました。どのくらいの方が参加くださるのか心配していましたが、ありがたいことに、あと数名で満席になるようです。図解の必要性が高まりつつあり時期ですから、その影響もあるかもしれません。

文書に載る図がどうなっているのか、意識してみていると、一時期のように種々雑多な資料を載せることがなくなってきています。業種にもよりますので、一概には言えませんが、文書に載せる図の数が減ってきているはずです。

図をたくさん載せたり、様々な資料をたくさん添付するのは、自信のなさの表れだとみなされるリスクがあります。本当に大切な、これで決まりという図があれば、他の図は必要なくなるはずです。数に頼るのは勝負をかけられる図がないということでもあります。

      

2 文書作成者が作図する原則

重要な図だけが文書に掲載されることになるのが原則です。図の数が減ると、当然のことながら、一つひとつの図に注目が集まることになります。それに堪える図を作り出さなくてはなりません。そうでないものはノイズ扱いになる覚悟が必要です。

もう一つ大切なことは、文書を書く人が作図するのが原則だということでしょう。文書作成者が図を作るからこそ、信頼感が増すということがあります。当事者ですから、文書の内容はわかっているはずです。読む側の当然の期待と言えます。

文書がきっちりしているなら、必要な図がなんであるかはわかるでしょう。このとき凝った図が必要になるわけではありません。逆にシンプルな図が必要です。必要な内容がダイレクトに伝わる図が期待されます。シンプルなら、よくわかることでしょう。

      

3 一番大切なのは図解のセンス

図解にとって、何が一番大切なのかと言えば、テクニック以前のものになります。感性、センスが求められます。実質が伝わる図が提供できればよいのです。実質が伝わる作図にするには、配置、形、色が問題になります。全体のセンスが問題になるということです。

図の形式は独創的である必要はありません。シンプルな道具を使って、あたりまえの配置、ありふれた形、少数のセンスの良い色があれば十分です。ありふれた、あたりまえのものであれば、たいていの人が見てすぐにわかってくれるでしょう。

センスのいい図を見ることが大切になります。そうして、センスのいい図を見ていると、知らないうちに内容についても学ぶことになるはずです。必要な図、センスのいい図がわかるようにというのが、講座の目標といえます。今回は、発展篇を少し補強しました。

      

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