■新人リーダーの奮戦記:業務マニュアルの作成
1 新規の営業所を任されたリーダー
来年4月から、新規の営業所を任されるリーダーがいま業務マニュアルを作っています。あなたの自由にやってくださいということです。自分流でまっさらな営業所ができます。その点では気が楽でしょう。ただ、いきなり他の営業所との競争の中に入ります。
業務マニュアルというものは、適切に作成すれば、確実に成果が上がります。新しいリーダーは自分で営業のマニュアルを作ってきました。そのマニュアルが成果をあげています。そのことを自らの体験でよく知っている人です。効果は期待できます。
ただし気をつけなくてはなりません。今までと違って、営業所のトップです。自分の担当する業務について、どうしたらよいかを考えていたときとは状況が違ってきます。何をしたらよいのか、最初は戸惑っていました。段階を踏んで進んでいかなくてはなりません。
2 標準的な業務マニュアル作成の次は?
まずは新たな状況に合わせた標準的な業務のマニュアルが必要になります。これは今までやってきたことがそのまま活かせました。順調に作成が進んでいますから心配ありません。それができたら、次にどうしたらよいのでしょうか。
リーダーも戸惑っていました。マニュアルさえない状況なのかで、自分で自分用のマニュアルを作り、それを改善していき、成果が飛び抜けた人です。マニュアルがあるだけでも、自分のときよりも数段よいと思っていたのでした。
あんがい次が思いつかい人は多いのです。リーダーになる人は、たいてい成果をあげた人ですから、自分ができたことを基準に考えます。その結果、何でこんなことができないのと思いがちです。しかし全員がリーダーになった人のようには行動しません。
3 到達目標までのステップ作り
ステップを踏んで必要な水準に達していくことが大切です。安定的に進んでいけば、特別な苦労をしなくても自然に実力がついていきます。この自然なコースをリーダーが作るのです。リーダーが期待する水準に、じょじょに到達するモデルを作る必要があります。
標準的な業務マニュアルを作ったら、それを分割しなくてはなりません。新人さんにできることからはじめてもらい、足らないところをリーダーがおじなっていく必要があります。はじめから、どこまでやれればいいという範囲を決めておくということです。
つまりは、いまある業務を改変しなくてはならなくなります。一人で全てをやらなくてもいい仕組みを作り上げなくてはならないのです。新人リーダーは、現在、ああ、そうか…という段階にいます。しかしまだ3カ月ありますから、十分間に合うでしょう。