1 改革はささやかな作業
業務の改革とか改善とか、なんだかすごいことのように聞こえます。しかし実際のところ、ささやかな作業です。すでに日々の経験の中から気がついたことを仕事に反映させている人は、業務の改善をしていると言えます。その方法が問題になるのです。
一番着実なのは、業務を書いておくことだろうと思います。すべての業務を書かなくてはいけないのではありません。日々の仕事の中で、ポイントになるところを記述しておくということです。業務を把握するとき、そこに濃淡をつけるということにもなります。
ある特定の部分ができるだけで、全体に大きな影響を及ぼすだろうということがあるはずです。あるいは偶然に気がついたことで、全体が大きく変わっていった経験を持つ人がいるかもしれません。個々の仕事をするときにポイントがあるはずです。
2 全体像の把握
全体のなかの特定部分を詰めてみることによって、何かが見えてくることになります。そのとき自然になされるのが、全体のなかのポイントを見極めるための作業です。こまごまとしたことでなくて、全体像が見なくてはなりません。
全体の様子がわかったうえで、ポイントを絞るということです。全体と部分の把握が必要ということになります。どうしたらよいでしょうか。すでに広く行われていることがあります。業務の全体像を把握するために、標準的な作業と言っていいものです。
全体の仕事の流れを確認していく作業について、フローという言い方がなされます。業務フローという言葉を聞いたことがあることでしょう。全体の仕事の流れは、この業務フローで確認することができます。これも業務マニュアルの主要部分です。
3 業務を変えるときの基礎
業務フローを作り、業務の全体を把握した上で、ある特定の業務について、詰めをしていくことによって、成果が上がってきます。いきなりすべてを変える必要はありませんし、変更も小さく行ったほうが着実です。小さければ、効果を検証しやすくなります。
業務改革と言っても、小さく、ささやかにはじめるべきなのです。それなしに、いきなり大枠を変更しようとすると、しばしば大きく間違うことになります。みごとな成功例もあるはずですが、その前に、着実な改革ができる組織でないと、苦労するはずです。
大きな変更を伴う改革の場合、摩擦が大きくなります。その摩擦を小さくする作業がないと、改革は定着しません。全体像を見て、小さく、ささやかに変えていくことが業務を変えていくときの基礎になります。業務を書くことから始めるべきでしょう。