■図解講座の発展:データや表を使った分析

    

1 8月18日「図解講座」開催

8月18日に図解作成講座を行います。新型コロナの新規感染種が多いのにもかかわらず、参加される方がたくさんいらっしゃるのはありがたいことです。私の方も楽しみにしています。今まで何度か、講座が終わってから講座のことを書いたことがありました。

今回は、講座の前の準備期間に用意していたもので、カットしたものについて書いておきたいと思います。もともと参考資料として載せるかどうかというものでしたので、カットしたのは時間の関係からして、仕方ないことでした。講座の基本は変わりません。

この講座の場合、基本をきちんと詰める必要があります。同じ成果であるなら、テキストの分量は少ないほうが良いですし、進行が急ぎ足になるようなら、テキスト作成は失敗だというべきです。各項目の入れ替えを行って、全体の分量は前回と同程度に絞りました。

今回、発展的に入れられたらと思って用意したのは、経済指標にある種の異変を感じたからでした。しかし異変を言いたいがために、グラフや表を用意したのではありません。どうして気がついたのか、具体的な指標を見ながらお話しようかと思ったためでした。

      

2 図表で本文を判断

図解講座ですから、グラフと表は欠かせない対象です。このうち経済指標のグラフをいくつか並べてみると、あららと思う形が見えてきます。しかしその指標がなぜ大切なのか、気づきにくいものです。私もしばしば本や記事などの文章から知識を得ています。

では、本や記事などの記述の正しさを、どうやって判断しているのでしょうか。経済指標などの場合、本文とグラフや表などが組み合わされていることがよくあります。私の場合、ここに使われている図表が、適切な形式で作られているかどうかを見ているのです。

ベースとなる資料やデータが間違っていたら、全体が信じられません。大切なのは、一番ベースになる資料やデータの選択を間違わないことです。そうした訓練をした人ならば、まず図表をいい加減に扱いません。図表の形式を見れば、本文のレベルも推定できます。

     

3 トレンドをウォッチしていく楽しさ

一つの指標に注目すべき傾向が見えたときに、それだけで満足していてはリスクがあります。裏づけになる指標があるかどうかも、調べてみなくてはなりません。ありがたいことに、すぐれた本や記事ならば、言及したり参照した情報も確かなことが多いのです。

複数の文章を読んでいれば、比較対象することもできますので、それによって、感覚だけでなく、ベースとなる資料やデータの選択についての基礎的な訓練もできます。何人かの方の見解の根拠に使われた資料やデータを調べてみると、その人の癖も見えるはずです。

あるとき突然、流れが変わることがあります。トレンドが見えてきた場合、それがどのくらいの期間、どのくらいの度合いで変化していくのかは、簡単にはわかりません。しかし、方向だけなら気がつくことがあります。その経過を見ていくのは興味深いことです。

今年に入ってから、注目すべきデータが出てきています。簡単な解説をして、ウォッチしていきましょうという話をすると、1時間はかかるでしょう。入門講座と銘打った講義ですべきことではありません。しかし図解の理解ができると、面白いことがあるのです。