■失敗の原因:企画のプロから教えられたこと
1 私の失敗例
コロナが拡がっていますから、予定していた講座が実施できなくなることがあります。昨年のOJT・教育用のマニュアル作成講座も残念ながら、成り立ちませんでした。準備を進めていましたが、仕方ありません。一番の原因は私の力不足だと思います。
あえてこうしたことを書くのは、実際のところ、原因が複合的で、努力してもどうにもならない点もあるからです。若者が、すこし悲観的になりすぎているときに、私の失敗例を語ることがあります。ごく最近も、そんな話が安心につながっている様子でした。
昨年、不成立だったOJT・教育用のマニュアル講座も、今年の5月に開催になっています。受講者の人数も、想定以上の数になりました。さらにありがたいことに、アンケート結果を見ると、昨年以降の私の講座の中で、一番の高い評価になっていました。
2 余裕のなさからのミス
わからないものです。同時期に上手くいかなかった講座が多かったそうですが、昨年の講座不成立のあと、もっと自分で何とかできることがあったろうという思いは、当然のように湧いてきました。そう思うと、いくつか思いあたるところもあったのです。
昨年の講座案内を見ると、会場での受講が原則であると感じさせる説明がありました。これは問題です。当初、会場受講を想定して出発した講座でしたから、講座の説明に従来からの痕跡が残ってしまったようでした。今年の案内では修正になっています。
余裕がなかったと言えるかもしれません。昨年の講座前に、いちばん苦労したのは、オンライン・ライブ用に内容変更をすることでした。内容を全面見直しして、オンラインのライブ講義でも、今までと同様に双方向で進めていけるように、工夫をしていたのです。
3 原因は一つではない
講座が不成立などということは困ったことですから、当然、原因を探ろうとします。しかし、それが正解だという保証はありません。結果が出たならば、原因が正しかった可能性もありますが、しかし結局のところ、原因と結果の関係は、わからないものです。
研修企画の世界で長年成果をあげてきた方から、ダメな原因を詰めていっても、何も出てこないことが多いのですよと、言われたことがあります。ダメな原因を見出したつもりでも、それが決定打という証明はないし、そうなっていないことが多いらしいのです。
うまくいかないこともありますし、そのあと、なぜかうまく行きだすこともあります。そうなると、すべて自分の責任だというのは、すこし傲慢だったのかもしれないという気がしてくるものです。原因は一つではない、力不足以外にもある、ということでしょう。
実践する側としては、さまざまな検証をすべきですが、それだけでは不十分です。おそらく一番効果的なのは、客観的に見てくださるセンスのいい人がいることだろうと思います。これは仕事全般に関わることかもしれません。こんな話を若者にしました。