■岸田内閣の高支持率についての雑談:代案の欠如

      

1 不思議ではない高い支持率

雑談をしていたときに、何で、岸田内閣の支持率が高いのかわからない、不思議だという話が出ました。ビジネス人の中でも金融に関わったり、経済に関心のある方なら、まず岸田内閣を支持しません。ここまで評価の低い内閣もめずらしいとさえいえます。

しかし支持率が高いために、不安になってくるようです。日本人が劣化して、まともな判断が出来なくなっているのではないかと、口に出す人もいます。そうかもしれません。ただ、そんなに単純なものではないでしょう。そのときの雑談を記録に残しておきます。

ビジネス視点から見ると、岸田内閣の高い支持率は、そう不思議ではありません。いまは支持率が高くなりがちです。そういう環境だといえます。長期的に高支持率が続くのかと言えば、続くはずはないでしょう。しかしいまは高支持率が当然だといえます。

      

2 斜陽産業のマスコミ

岸田内閣の前は、菅内閣、その前が安倍内閣でした。今までとは違ったことをしようとしましたから、摩擦がおきます。それに反対の人は、それを声高に主張するでしょう。テレビも新聞もマスコミは反対の勢力圏にいますから、好意的に扱うはずありません。

岸田内閣は、何もしていないと言われますが、世論が傾けば、そちらに反応してきました。テレビも新聞もいまや斜陽産業に入ったといってもよい業種です。紙に印刷して宅配というのは辛いでしょう。インターネットが出てきて、地上波も大変です。

辛い産業にとって、現状維持が原則で、何かを声高に言えば反応する気弱な内閣に安心感があるでしょう。菅首相なら断固として実行したことでも、岸田首相ならぼんやりしたままで済ませるはずです。岸田内閣は、マスコミを味方につけることに成功しています。

野党に代替の勢力もなく、自民党内にも岸田首相の代る具体的な候補者が明確になっていません。ウクライナで悲惨な戦争が続いています。いま国内で混乱している時期ではないでしょう。ひとまず様子見しながら、消極的に支持するのはおかしくありません。

       

3 代案がないので現状維持

ビジネスなら、反対するだけでなくて、どうしたらよいのかの案がなくては無責任だと評価されます。菅前首相や安倍元首相は首相候補になっていませんし、他に圧倒的な人がいるわけではありません。他の明確な選択肢のない中で、現状維持が選ばれています。

岸田内閣の支持が落ちるとするならば、政権の政策運営が明らかにもたついていると認識されるようになってからでしょう。今後そうなるはずですが、しばらく変化なしの可能性もあります。7月に行われる参議院選挙まで、支持率が維持されるかもしれません。

選挙で勝った首相は力を持つのが原則ですが、代案が示されたら支持を失う可能性もあります。選挙前の混乱は避けられるかもしれませんが、選挙後には代案が提示されるでしょう。首相候補が明確になってくれば、無理に現状を維持する必要はなくなります。

現在の岸田内閣の支持率の高さは、具体的な代案、つまりポスト岸田の候補が明確になっていないことと、侵略戦争が起きている世界情勢が影響しています。不安定な環境の中で、ひとまずの現状維持はしかたのない選択です。早くよい代案をと願っています。

       

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