■データ・情報・知識の説明の仕方

   

1 オンライン講義とライブ講義

昨日研修を行ってきました。今回はオンライン講義です。だんだん私の方でも、慣れてきました。オンラインの場合、受講される方の顔がほとんど見えませんから、反応がわかりにくいという点があります。初めの数回は、そのあたりに戸惑うこともありました。

会場で受講される方がいれば、どんな反応なのか、表情やしぐさから何となく感じるものです。しかしオンラインの場合、そうしたことがないため、問いかけをしたり、ご質問を受けたりということが大切になります。今回も、もっと改善しないと…と思いました。

説明の仕方もテキストの作り方も、オンラインの場合を想定して工夫していく必要があると感じます。おそらくオンライン向けに工夫していくことは、ライブの講義でも効果があがるはずなのです。今回も反省点がありました。以下の説明の仕方も、その例です。

      

2 会話で使う「データ・情報・知識」

以前、「データ・情報・知識」の概念について、ブログに書きました。ああいった説明をすると、わかったと言ってくださる受講者の人がいましたし、間違ってはいないのでしょう。しかし、わかりにくいと感じる人がいたはずです。今回、そんな風に思いました。

リーダーがキーマンのAさんと会っていたことに気づいたとします。Aさんと会ったのは「いつ・どこ」だったのか。リーダーは、「日時と場所のデータはある?」と聞くでしょう。日時と場所の「情報はある?」とか「知識はある?」とは言いません。

その後、Aさんのことを調べるように言われた担当者はリーダーの質問に、どんな風に答えるでしょうか。「Aさんにはどんな趣味があるの?」。担当者は「絵画が趣味だとの情報があります」という答え方になるはずです。「データ」や「知識」ではありません。

ネットにあったAさんの絵の画像を見たリーダーが、「ぼうっとしているのに立体感があるね」と感想をもらしたならば、担当者がこんな風に言うかもしれません。「Aさんには色彩学の知識があるようです」。ここで、「データ」や「情報」とは言いません。

     

3 1対1対応・分析・実践可能な体系

こうしたニュアンスならば、おわかりだろうと思います。意識していなくても、ある程度わかっていたことに関して、この感覚的な理解を意識できるように、事例で確認した方がよかったでしょう。その確認後に概念を明確にしていけば、わかりやすかったはずです。

データの場合、項目ごとに1対1で対応する客観的な事実、測定結果です。先の例なら、「Aさんに会った日時はいつ」「会った場所はどこ」になります。情報の場合、明確に1対1対応になりません。「Aさんの趣味」⇔「絵画」とはならなくて、非対称です。

ご本人が趣味は絵画だと明示し公開していたら、情報とは言いにくいでしょう。しかし先の例では、絵を習い、Webで絵が公開されているため趣味だと判断されていたことがうかがえます。だから「情報があります」なのです。情報の場合、分析が必要になります。

では知識の概念はどんなでしょうか。対象となるのは体系的な内容です。体系的な内容であるための基準は、実践可能性といえます。知識があれば何かができる、こうしようということになります。実践的なノウハウ、方法、仕組みなどを生み出す概念が知識です。

     

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