■レポートの書き方:「ある程度」の準備と実践

     

1 どう書いたらよいのかわからない

1月12日から講義が始まりました。早くも来週から後期試験になります。学生の状況を見て、あれこれ調整しての試験準備でしたので、いささか疲れました。オンラインの講義が一コマありますので、そちらは早くからレポート提出ということになっています。

状況を聞いてみましたが、思った通りです。なかなか書きだせないという学生が大半を占めています。これは別に学生ばかりでなく、ビジネス人でも同じです。状況はどうかと確認すると、どう書いたらよいのかわからないという答えが返ってくることになります。

レポート提出と言ってもA4一枚の分量ですから、そんなに負担になるものではありません。何を書くのか、ある程度決めたら、実際に書いてみればよいのです。書いてみれば、何かが足らないということに気がつきます。追記していけば、何とかなるはずです。

      

2 書きだしてこそ内容が決まってくる

ある種の決まりがあるような気持ちになるのか、最初にどう書きだすのがいいのかわからないといった声が出てきます。テーマにもよりますし、切り口も違いますから、そんな定型的なものがあるはずはないのです。その都度、考えて決めていくしかありません。

最初からすべてが見える状態にしようとすると、かえっておかしなことになります。全部が見えてから書こうとすると、飛躍しなくなるはずです。書きだしてこそ、内容が決まっていくというのが自然でしょう。ある程度できたら、書き始めること自体が大切です。

小説家の宇野千代が語ったという言葉が、瀬戸内寂聴『わたしの宇野千代』にあります。瀬戸内が[きちっと始めから終わりまでノートができていて、それから書くっておっしゃる方がいますでしょ]というと、宇野は[あれは駄目]と答えているのです。

▼ドストエフスキーでも、あれだけのものをはじめから構想して書いたんじゃないと思うの。私の小説作法にあるように、最初「雨が降っていた」という一行を書いて、だんだんと書いていくうちにああいう構想ができてきたんだと確信しています。 (瀬戸内寂聴『わたしの宇野千代』)

     

3 「ある程度」の内容

A4一枚程度のものなら、まずテーマを決めて、どこに焦点を当てて、自説がどうなるかと言って程度のことはわかるはずです。そのくらいのことが決まっていたら、それらを箇条書きにして並べてみて、順番を入れ替えれば、ある程度の構成もできてくるでしょう。

ここまでくれば、書いていけばよいということです。小説家でもさすがに、何もイメージなしに「雨が降っていた」とは書かないでしょう。ある程度は書きたいことがあるわけです。その「ある程度」ができたら、書かなくてはその先に進まないということです。

学生やビジネス人のレポートの場合、「ある程度」というのは、(1)テーマは何か、(2)その中で焦点を当てるポイントはどこか、(3)自分の考えはどんなものか、このくらいでしょう。慣れてくれば、これらはそんなに苦労せずに思いつくようになります。

練習が必要です。やってみるしかありません。泳げるようになるには、プールに入ることです。競技に出場するなら、飛び込めなくてはなりません。飛び込み方をある程度知っておくことは不可欠ですが、飛び込んでみないと飛び込めるようにはならないはずです。