■目的・目標・手段による業務の検証
1 リーダーが使うコンセプト
目的・目標・手段というコンセプトはマネジメントの中核になっています。何のためにしたいのですか、何を具体的にゴールに決めるのですか、どうやってそれを実現するのですか、ということです。リーダーなら当たり前のように、そう考えているでしょう。
こうやって発想することは、自分の考えを強固なものにしてくれます。目的を考えるときには自分の思いが前提になっていますから、主観的な考えです。主観的にこうしたいというだけでは、不安定なところがあります。具体的なゴールがあれば安心です。
具体的なゴールというのは、客観的なものを前提としています。達成できたかできなかったか、どのくらい達成できたかがわかるものにするということです。自分の思いが客観化されたなら、正しさも検証できます。そして行動を考えることができるでしょう。
目標を達成すること、つまりゴールに到達するために、どうするのが合理的かと考えることになります。主観的に目的を考え、客観的な目標を設定し、それを合理的な方法で達成していくということです。バランスの取れた考え方だろうと思います。
2 ミクロ領域にも使える目的・目標・手段
この目的・目標・手段の考えは、たんにマネジメントで使えるだけではありません。もっとミクロのものであっても使えます。たとえば業務を細かく区切って、ちいさな業務プロセスを作ったときにも使えるコンセプトです。そのプロセスを検証するのに使えます。
そのプロセスはどんな目的で組み込まれているのか。まずこれを考えます。そのプロセスで目標とすること、超えなくてはいけない水準はどこであるのか。一番の中核になるものを明確にすることです。それは品質なのか、コストなのか、スピードなのか。
こうやってプロセスの目的と目標が明確になれば、どういう手段でこのプロセスを実施するかが明確になります。品質重視なら、コストがかかっても品質に有利に働くようにこのプロセスを組み立てなくてはなりません。スピード重視なら、その仕組みが必要です。
3 おかしさの発見と問題解決
マクロとミクロで、同じ目的・目標・手段を使ってみていくことが出来ます。主観性と客観性と合理性で判断するということです。3つの観点で見ていくと、どこかに齟齬が出てきたら、何かがおかしいと気がつきます。おかしいと分かれば、探せることでしょう。
たいていおかしいと気がつかないことが多いのです。おかしいのに気がつけば、ほとんどのことが遅かれ早かれ、問題解決に結びつきます。プロセスを設計するときに、もっと良い方法が見つかるということです。そのまま改善になったり、革新に結びつきます。
万能ではありませんが、目的・目標・手段の観点で考える視点は貴重です。こうした観点から考えたほうが、思考が安定します。これがプロになると、ある種、感覚が研ぎ澄まされるのです。真・善・美と結ぶつけたくなったのは、プロの仕事を見たからでした。