■通年採用に向けた動き:昨年度と今年度の就職活動

    

1 新型コロナで対応の変化

2020年に新型コロナの感染が拡大してから、社会生活が大きく変わりました。当然のようにビジネスも変わりました。在宅勤務が一気に広がったのは、こういうことがなければありえないことだったでしょう。たいした準備もなしに一気に広がったのは意外でした。

講義がオンラインに変わり、オンラインの方がよいという人も出てきています。あまり表だって言われていませんが、講義の評価がきわめて大きくなりました。オンライン用に講義を作り変えなくてはならないのに、それが苦手だという人がいます。

コロナの感染の拡大は収まったようですが、どうやら元にそのまま戻ることはなさそうです。最近、徐々に在宅勤務から出勤になっているようですが、同時に今後も変わらず、在宅勤務を続けるお仕事もあるでしょう。勤務形態が変わったということになります。

    

2 2021年度の卒業生

学生の就職状況も変わってきました。面接がオンライン面接を取り入れることになったのは、在宅勤務と同じ流れでしょう。最近は新規感染者数が収まってきたため、対面での面接が多くなってきていますが、やはりオンライン面接は残りそうです。

対面からオンライン面接への変化は、まあそれほど大きな変化ではないかもしれません。やはり一番大きな変化になりそうなのは、採用の時期ではないかと思います。今まで6月に向けて集中的に採用していましたが、あれがなくなりそうです。

2021年に卒業した学生たちの中で、いま活躍している人たちは、偶然かもしれませんが、遅い時期に採用された学生の比率がきわめて高くなっています。もしかしたら私の教え子だけの現象かもしれません。ただ、少し思い当たることがあります。

遅れて内定をもらった人達の入った会社は、採用に慎重でいるうちに、年度末が見えるころになって人が足らなくなった会社でした。そうなると、入社してから必要な人材として扱われます。また入りたい業界に行きたくて堪えてきた子たちですから、優秀でした。

    

3 通年採用化の傾向

2021年卒業生のうち、おそく内定をもらった人達の多くは卒業数か月前か、卒業後の内定でした。3月に卒業するのに2月や3月に内定ですから異常事態です。マイナビなどの新規の募集などもうない時期ですから、さて困ったと相談にやってきていました。

その学生たちに、転職サイトを見るように勧めたのです。門前払いもありますが、本当は新卒者が欲しかった会社もあったようです。面接一回で、その場で内定が出て信じられないと言ってきた学生もいました。何度となく落とされた後ですから、わかります。

今年の2022年度就職の場合、転職サイトを見るまでもなく新規募集がまだ途切れていません。実際11月以降に希望の会社に入れたという学生が続出しています。昨年よりも就職状況が改善してきました。通年採用に向けて徐々に動き出しているように見えます。

    

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