■文章チェックの基本とその方法:文章チェック講座を終えて

     

1 文章構成・センテンス・内容が問題

文章チェック講座を行ってきました。おおぜいの方に参加していただいて感謝しています。オンラインと会場とのハイブリッド講座になりました。会場での受講者は少数派です。現時点ではどの講座でもオンライン受講される人が圧倒的に多くなります。

文章をチェックするときに見ていく必要があるのは、おもに3つです。(1)どんな文章構成をしているのか、(2)各センテンスが適切な表現になっているか、(3)内容が適切であるか。これらをどうチェックしていけばよいのかということになります。

なんとなく面倒そうな話になりますが、評価される側が納得できるかどうかということがポイントになります。評価された人が納得できなくては、せっかくのチェックの効果がありません。あわせてどうすれば改善できるかという点も示していく必要があります。

同時に、現実的な問題として、リーダーはすべての部下の教育をするわけにはいきませんから、これから伸びるであろう人を選び出すことが必要です。ドラッカーは、普通の人を一流にすることは、一流を超一流にするよりも大変だと言っていました。

     

2 自説・記述形式・基本知識をチェック

文章チェックをする目的として考えられることは、チェックによって部下が改善していくようにすることと、リーダー候補を選抜するということになります。同時に、文章チェックをすることによって、チェックする側の実力がつくということも大切です。

では、何をチェックすべきでしょうか。まず第一に、ビジネス人が書く文章には、自分の考えがなくてはいけません。自説を明確に書くことが必要になります。これが最初のポイントです。自説を明確に示し、その理由を示していることが不可欠です。

第二に、文章が伝わる形式で記述されているかが問題になります。読む側に正確に伝わらなくては、内容がどんなにすばらしくても価値がありません。第三に、地位にふさわしいだけの基本知識があるか、妥当な判断が出来ているかをチェックすることが必要です。

      

3 日本語の問題と文章チェック

言うべきことが明確ならば、記述はかえってシンプルな構造の方が伝わります。自説の結論を簡潔に記述して冒頭におけば、それで問題ありません。逆に言えば、最初のブロックを読んだだけで、全体が評価できてしまいます。冒頭の文章はきわめて大切です。

さらに各センテンスごとに文末をチェックしていきます。「だ」と断定が続くものは、強引な論法になりがちです。また「だろう・かもしれない」の多い文章は、曖昧で明確性に問題があることが多いでしょう。文末に注目して見ていくことが必要です。

文末に注目したなら、その主体になる言葉が、何であるのかも押えておかなくてはなりません。センテンスの主役となる言葉(文末の主体となる言葉)が明確なものでない限り、その文章はダメなものです。各センテンスを見ると、全体が見えてくることがあります。

文章チェックをしようとすると、私たちは日本語の問題に直面します。文書を作成するときに構成をあまり重視していませんし、日本語文法ではセンテンスの分析方法が確立していません。文章をチェックことは、こうした問題を意識するよい機会になります。

    

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