1 情報量の問題 新形コロナの緊急事態宣言により、6月の業務マニュアル講座がオンラインのみでの講義になりました。会場で受講される方の反応を見ながら講義できないのは、残念なことですが、何度かこうした機会がありましたので、こちらも対策をたてないといけません。 …

■オンライン講義について:その弱点と今後 続きを »

      1 ああそうなんですか…で終わる話 日本語に主語がないという見解が示されたなら、どう反応するでしょうか。たいてい、ああそうなんですか…と言うだけで終わるはずです。主語をどう定義するかが問題であって、あるなしは、定義の仕方によることでしょう。それが普通の …

■梅棹忠夫の見解について:桑原武夫『文章作法』から 続きを »

     1 厳密で精確な表現の可能性 いささか困ったことになりまして、ブログの更新が不安定になっていました。ワードプレスの何らかのバグがあるのでしょうか。更新が出来なくて、専門家に相談して修復していただいたのですが、また更新できなくなりました。幸い再び更新可能な …

■大野晋『日本語はいかにして成立したか』にみえる基本発想 続きを »

     1 近代における漢語の役割 『日本列島の言語』に収められた「日本語の歴史」で亀井孝は、近代において漢字の果たした役割について、重要な指摘をしています。まず漢語が氾濫するようになったのは、明治以降であったということです。それは今までの漢語とは別の種類のもの …

■日本語の体系を考える:『日本列島の言語』の亀井孝の論考から 続きを »

    1 機能的な記述を可能にした記述法 『日本列島の言語』にまとめられた記述は1989年のものですが、いまでもいくつかの論考を振り返りながら、考えることがあります。たとえば小松英雄による「日本語の歴史 書記」では、その一筆書きが見事でした。小松は、漢字・漢文の …

■日本語の体系を考える:『日本列島の言語』の小松英雄論考から 続きを »

     1 漢字における広い意味での品詞 春という言葉は、日本語では名詞です。ところが漢文になると、単純に品詞名が言えません。岡田英弘は『日本史の誕生』で[漢字には名詞と動詞の区別もなく、語尾変化もないから、字と字の間の論理的な関係を示す方法がない]と指摘してい …

■漢文における品詞概念:形式・働き・意味による決定 続きを »

      1 形式的な判別が可能な動詞・形容詞 日本語の文法を考えるとき、私たちが文法をどう使うのかを、考える必要があるでしょう。例えば品詞に関して、動詞と形容詞は判別しやすいので安心して使えます。名詞の場合、その言葉が主格になるかどうかという点を意識しているは …

■品詞の決定要因:主語・述語概念と品詞 続きを »

     1 大野晋による名詞の定義 名詞のことを考えていたら、そういえば大野晋が名詞について書いていたなあ…と思いだしました。『日本語の文法を考える』で、日本語の半分以上が名詞になっていると指摘しています。そして名詞とは何かを説明しています。以下のようなものでし …

■名詞とは何か:主格にならない名詞について 続きを »

      1 文節は区切りの単位 自立語というのは、文節で区切った先頭に来る言葉でした。前回ちょっと触れています。文節という概念は、日本語文法にとって不可欠なものです。日本語文法の基礎になっているといえます。しかし文を区切るときの基準であって、それ以上のものでは …

■日本語の品詞:広すぎる名詞の概念 続きを »

       1 「数式を組み立てる」とは 私たちが日本語で客観的で論理的な文章を読み書きしようとしたら、何らかのルールを身につけておくことが必要になります。清水幾太郎は『論文の書き方』で[数式を組み立てるようなつもりで日本語の文章を書くこと]という言い方をしてい …

■日本語の品詞:明確な基準で判別可能な「形容詞・動詞」 続きを »