■文書の標準的なスタイルについて:文章チェック講座を終えて

1 文書の大切さ、対面の大切さ

先週、文章チェック講座を行ってきました。おおぜいの参加者に感謝しています。会場とオンラインとのハイブリッド講座でした。会場の方が、オンライン受講の方々の人数を聞いて、驚くくらいでしたから、すこし流れが変わってきたようにも思います。

コロナの問題が起きてから、在宅の仕事がスタートするなど、働き方がさまざまな面で変わってきました。この間に、文章によるコミュニケーションの大切さをお感じになったことでしょう。同時に、実際に会って話をすることの重要性も再確認できたと思います。

今後コロナの問題が収束しても、出社と在宅とのハイブリッド形式での仕事が定着するかもしれません。現在、対面の機会が減るからこそ、対面の価値が上がっているはずです。同時に時間を有効に使おうとするなら、事前に文書でのやり取りが必要になるでしょう。

 

2 標準的な文書スタイル

ビジネスの場合、正確性とスピードが要求されますから、文書は不可欠な存在です。手間なく迅速に作成することと、充実した内容にすることは、車の両輪ともいうべき大事なことです。当然ながら、これを同時に実現することは簡単ではありません。

文書の作成は、どう読まれるかを考えて行うことが必要になります。文書をチェックする人は、チェックすることによって自分の欠点に気づくこともあるはずです。これを活かして、受け取る側の観点から、こう書いてほしいと要望を出すこともできるでしょう。

理解しやすい文書の形式がどんなものであるのか、これがわかれば、書く側も読む側も楽になります。理解しやすさを基準にした標準的な文書スタイルが模索されてきたのは、そのためでしょう。文書スタイルの大枠に関して、共通認識が必要だということです。

 

3 逆ピラミッド形式

効果を上げようとしたら、実践できるくらいシンプルな形式にしておく必要があります。詳細なルールでは実践できませんし、読むほうも楽になりません。これは逆効果です。こうしたシンプルな形式について、私たちはすでに知っているのではないかと思います。

結論を先に言えという話を聞いたことがあるはずです。簡潔な形式で書こうとしたら、結論を先に置く必要があります。A4一枚程度のペーパーであれば、結論が先に置かれているというのは別にめずらしいことでもないでしょう。これが標準的なスタイルです。

「結論、解説、まとめ」という形式を、はっきりと意識して書いてみたらいかがでしょうか。身につける価値はあります。書き慣れれば楽ですし、読む側も楽です。チェックする側が、スタイルを指定して、そちらに誘導することも可能でしょう。

最初に重要事項を置いて、そのあとにもう少し詳しい解説をつけていく形式は、アメリカでは「逆ピラミッド形式」と呼ばれています。日本では「逆三角形型」とも呼ばれているようです。ありふれていますが、上手に書けるようになれば、成果は確実に上がります。

 

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