■プロ用マネジメント:リーダーになってしまった人へ、基礎から その3


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1 ビジネスを構築するためのマネジメント

『経営者に贈る5つの質問』を読んだ人は、この本のドラッカーが語る部分のページ数の少なさに、驚くことだろう。そして、内容はまさに質問それ自体だと気がつく。5つの質問が示されているのだが、これで十分と言えるのか。たぶん、足らないと言うだろう。

この本を読んだだけでは、ビジネスの構築にはつながりにくい。しかしヒントが得られることは確かである。大切な話を聞いたと感じる人が多くいることは間違いないだろうと思う。それでも、何かが足らなくて、ビジネスの構築の話にいま一歩進んでいけない。

リーダーが、マネジメントに何を求めるかについて、ここでは、ビジネスを構築するために、マネジメントが役立つという点を前提においた。もしそうであるなら、それに応えてくれれば、マネジメントは十分どころか、最高の存在であるといえることになる。

 

2 読んで考える本『経営者に贈る5つの質問』

『経営者に贈る5つの質問』ならば、ムダにならないはずだから、ひとまず読んでみたらいいのではないか。そして、何かが足らないという感覚を味わうのがいいのではないかと思う。大切な話を聞いたという感覚を持ちながら、しかし、足らないのである。

読んでみて、何が足らないのかを考えることが、プロのなすべきことではないかと思う。この本を読んで、役立ったという人はたくさんいるばずだ。実際、経営層の人から、いい本だね…という話を直接聞いたことがある。他の本とは違うという話だった。

いまでもそのときのことが、印象に残っている。話した内容とは別のところで、あっと思った。その人は、「質問があるからわかるよね」と控えめに語りながら、満足そのものだった。ああ、この人は、もう現役で仕事をしていないのだ…と気がついたのだった。

 

3 何かが足らない『5つの質問』

5つの質問を並べてみる。以下のようになっている。とてもシンプルである。

質問1「われわれのミッションは何か?」
質問2「われわれの顧客は誰か?」
質問3「顧客にとっての価値は何か?」
質問4「われわれにとっての成果は何か?」
質問5「われわれの計画は何か?」

これだけの質問で、かなりのことを考えることになる。この順番で進めていけば、実践につなげていける気もする。リーダーの場合、実際にビジネスを構築するために、質問について考えていくことになる。自然に不足を補う気持ちが出てくるはずだ。

これら5つの質問にないものは何だろうか。マネジメントの中心に置かれるはずの概念は何であるのか。こうしたことを意識することによって、マネジメントの体系が理解できるようになるのではないだろうか。当然だが、すぐに気がつく人もいるだろう。

 

 

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