■プロ用マネジメント:リーダーになってしまった人へ、基礎から その1

1 マネジメントが必要になってしまった人

自分の好きな仕事をして、プロになることは幸せなことだろう。プロになって楽しく仕事ができたら、役職などそう必要としない。しかし世の中は、たいていそういうことにはならない。ある時、リーダーになる。あなたの貢献からすれば、当然だということである。

別になりたくてなったわけじゃないとご本人は言う。それはそうでしょう。しかし役員やら特別な役職を、そう簡単に断われない。業績がよい限り、役員でいてもいいかな…と思うはず。根っからの仕事人なら、自分の専門分野のことをやりながらになるだろう。

プロの仕事をしながら、役職に就く以上、かなりの仕事を部下に任せていくことになる。自分の仕事も楽になるし、若手が成長してもらわなくては困る。何から何まで一人でやっていられない。そうなると、もうマネジメント抜きにやっていけなくなる。

それなのに、マネジメントなんて勉強したことないそという人がたくさんいる。ビジネス書を読んでも、なんだこれはと感じ、流行の理論なんて役に立たないと、妙に納得するかもしれない。かつてなら、現場現場といっていればよかった。それだけの人もいた。

 

2 役に立たないベストセラー

世の中には、謙虚というか、まじめな人がいて、マネジメントの基礎から勉強したいので、いい本はないですかとお聞きになる人がいる。たぶん、色々な人に聞いているのだろう。あるいは雑誌の特集などを見て、あれこれ読もうとしているのではないか。

『イノベーションのジレンマ』なんて、なかなか魅力的なタイトルである。『競争戦略』なんて言われると、これこそ究極のマネジメントの本かもしれないと、感じる人がいることだろう。ただ『競争戦略』は厚いし、高いし、間違って購入する人はまずいない。

何だか読めそうなマネジメントの本なら、ひとまず買ってみることになる。読むことはできるはずだが、何だが安っぽく感じて途中で挫折する。あんなものという言い方をされた本が何冊もある。世の中から忘れ去られたベストセラーなど、めずらしくない。

 

3 何かいい本はないのか?

なかには、『経営者の条件』を読んだという人がいる。ああそうですか…というだけで、たいてい会話が弾まない。どういうわけか、この本はトンチンカンな扱いを受けることがある。読んだというだけで、内容を覚えていない人がかなりいる。

それならば、この本を読んだなどと言わなければいいのにと思うのだが、読んだことが自慢になることもあるらしい。ドラッカーの書いた本だからね、と語っていたのは、小さなIT企業の幹部だった人である。一度は読むべき本だよ、忘れてもいいんだ…とのこと。

こんな話は、別にめずらしくないことだろう。何度となくうんざりさせられる話は、この辺で、やめておこう。それよりも勉強する気のある人が、何かいい本はないかといってきた時の答え方をどうするか。これを考える方に意味がある。そんな本があるのだろうか?

 

 

This entry was posted in マネジメント. Bookmark the permalink.