■ビジネス文書の重要性:業務との関係 その4


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その2: 4~6…はこちら
その3: 7~9…はこちら

10 ビジネス文書の基礎

ビジネス文書で基礎になるのは、簡潔で的確な記述です。これがビジネス人の身につけるべき基礎の一つになります。しかし十分に身についているとは言えません。本来、学校で教育すべきことですが、その教育がなされていませんから、仕方のない面があります。

なかには論文を書くのに苦労する過程で、文書の記述の仕方を身につけたり、自分なりの訓練で、きちんとした文書が作れる人がいるはずです。しかし多数派ではないでしょう。こうした点から、文書の作成の訓練はビジネス人の不可欠な項目になっています。

どういう方法で、訓練をしていくべきか、考える必要が出てくるでしょう。また組織の側でも、何らかの教育研修が必要になるかもしれません。ここまでは基礎ですから、身につけないと困ります。幸いなことに、その気になれば、ここまでは何とかなるものです。

 

11 2種類のビジネス文書

問題なのは、リーダーのための文書作成に関しての方です。ビジネス文書の性格からして、リーダーの場合、内容が違ってきます。もっと高度な内容が求められます。リーダーの作成する文書の中には、組織を代表する立場からのものが入ってきます。

組織の人間は、2つの立場を使い分けなくてはなりません。一つは組織の一員としての個人の立場であり、もう一つは、組織を代表する立場です。新入社員であっても、対外的には弊社はという言い方をするでしょう。組織を代表する言い方が必要だからです。

ビジネス文書の場合も、2種類に大別されます。報告書のように個人から組織に向けての文書と、指示書や業務マニュアルなどの組織からの文書の二種類です。組織からの文書の作成を担うのは主にリーダーですから、文書作成能力が問われることになります。

 

12 リーダーの文書作成能力

リーダーには、業務を管理する責任があります。現在行っている業務のあり方で問題ないのか、それを判断しなくてはなりません。より良い業務の仕組みに変えていくことを、つねに考えていく必要があります。マネジメントの理解が前提になるのは当然でしょう。

こうしたリーダーの仕事のあり方が、そのまま文書に反映することになります。文書内容が、組織の全体を見たうえでのものになっていなくてはなりません。この点が問題になっているのです。役員やリーダーである当事者から、何度か問題点を聞いてきました。

確かに簡単なことではありません。しかしやるべきことは、シンプルです。まず簡潔で、的確な文書が書けるようにすることが必要でしょう。さらにマネジメントの理解が必要ですから、そのための訓練が求められます。ケーススタディーも必要でしょう。

リーダーのあり方によって、業績が大きく変わることは言うまでもありません。当事者がそのことを痛感しているからこそ、文書の話が出てきます。文書は形に残って、あとで見返すこともできますから、ごまかしがききません。実力が出てしまうことになります。

 

 

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