■リーダーへの負荷とトップダウン その2


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4 リーダーと管理職

リーダーという存在は、いわゆる管理職と違います。管理職はマネジャーというべき存在でしょう。管理職はどちらかというと、人を管理して仕事をうまく回すことを考える人です。しかしリーダーは、それに先立って、戦略やビジネスモデルを検討します。

戦略やビジネスのモデル、あるいは実際のビジネスのやり方を見て、これでビジネスに勝てるのかどうか判断ができないと、リーダー失格です。いいビジネスの仕組みで仕事をしてもらわなくては、どんなに優秀な人を集めても、成果が限られます。

では、ビジネスとしての構想はこれでよいのかとか、このビジネス・モデルでよいのかと、どうしたら判断できるでしょうか。成功しているリーダーならば、わかっていると思います。成功要因を知っているということでしょう。ある種の基準があるのです。

別の分野からやってきた人たちは、まず無駄を排除します。それによって収益を上げるのは、ある種の成功の方程式でしょう。たぶんしばらくは無駄を排除することで、収益が上がるはずです。しかし、それだけではダメなのは明らかでしょう。

半年以上すると、同業他社の人でさえ、どうやらダメだと気づくかもしれません。何度かそうした指摘を聞いたことがあります。実際にその通りになるのが、恐ろしいところです。飛躍するエンジンを作れている人かどうかということが、たぶんわかるのでしょう。

 

5 業務の構築の練習

出来る人達は、ひとりでに新しい仕事の方式を創り出します。実際には苦労しているのでしょうが、外から見ていると、簡単に次々思いついていくように見えるはずです。新しいことを思いついたときに、そのつくり方がわかっているということになります。

今の状況がまずいと思ったら、すぐに別の方法を考えて、これはどうかと次々話が展開していくリーダーたちなら、モデルの構築の過程で、何度となく改善が出来るでしょう。さんざん時間をかけている人達には、それが出来そうにありません。

以前、「リーダーの練習」という言い方で、ある種の訓練の話をしたことがあります。業務の構築の話です。こうすればいいのではないかと思いついたら、すぐにモデルに出来るかどうかがポイントになります。そんなに難しいことではありません。

練習すれば、新しい仕事の方式は、頭の中ででもできあがります。実際に研修で、新しいビジネスの方式を一気に定着させるためのマニュアル作りに関わってきました。ある程度慣れた人なら、その場でこれができます。特殊な才能ではありません。

実際に自分の考えを業務の仕組みになるように書いてみれば、訓練してきたかどうか、一目瞭然になるはずです。ビジネスモデルにさえなっていない人は、マネジメントの勉強が足らないということでもあります。そのあたりも含めて、勉強が必要です。

実際は逆なのでしょう。あまりにひどいモデルしか作れない場合に、これは何でダメなのかを指摘して、何が必要なのかを指摘すると、だんだん気がついてきます。実際、モデル化がだんだんできてくると、明らかに顔つきが変わってくることがあるのです。

 

6 仕組みをマニュアル化すること

自分でビジネスの仕組みを作った人ならば、現在あるビジネスモデルの良し悪しなど、すぐにわかるでしょう。あれがダメ、これがダメと気がついて、改善案がすぐに出てくるはずです。あるいは、全面的に作り直さないとダメだということもあるでしょう。

理屈でなくて、書いてみれば、不足は明らかになります。そうやって実践的に業務を書いてみると、これがマニュアルだと気がつくでしょう。ビジネスモデルを実際の仕事に落とし込んだものを記述したら、それは業務マニュアルになっていなくてはいけません。

教育研修やOJTなら、詳細を書かなくても、大枠を書いて、こうやってください、次にこうやってくださいと、実践することで仕事が理解できるようになります。こうやっておくことによって、その後の業務マニュアルの利用が進むことになるはずです。

ある程度分かっていることならば、業務マニュアルを見て、その内容が理解できます。一定以上のレベルにあるからこそ、マニュアルがわかるのです。もしマニュアルを作成した経験があるなら、与えられたマニュアルのレベルまで分かるようになるでしょう。

多くのリーダーが、マニュアル作成の指導を受けたことがないようです。マニュアルを作りながら、その途中で、あれこれ言われながら、ああ…と気がついて修正したり、思いついたりする経験がほとんどないようです。そんな研修をご紹介しておきたいと思います。

研修では、一人ひとりのマニュアル作成に対応しますので、講義中にマニュアルが完成できます。すでに受講者が一定数を超えていますので講座は成立しますが、この研修はぜひ満員になっていただきたいのです。それであえて宣伝させていただきます。

◆8月19日:新規所属者を最も早く戦力化するためのマニュアル作成と指導のノウハウ

 

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